自己破産 2023/04/24
自己破産の費用相場は?安く抑える方法や弁護士の探し方
自己破産は、金銭的に厳しい状況の方が弁護士に依頼することが多いので、費用面ではどれくらいかかるか気になるところです。
費用が捻出できず、手続きも迷ってる方もいるのではないでしょうか。この記事では、自己破産にかかる費用相場や対策、安く抑える方法について紹介します。
では、各事件の内容と手続き費用について詳しく見ていきましょう。
冒頭でお伝えした自己破産費用の相場と比べると、かなり費用を抑えることができます。
ですが、法テラスの扶助制度は誰でも受けられるものではありません。利用するには条件が定まっています。
申請の必要書類として
Contents
自己破産は弁護士と裁判所にかかる費用がある
自己破産でかかる費用には、弁護士費用と裁判所費用の2つがあります。どのような費用があるのか、さらに詳しく内訳を見ていきます。自己破産の費用総額の相場はいくら?
自己破産手続きは債務整理の中でも高額になります。総額の相場はおよそ30万~80万円程かかります。- 同時廃止事件…30万~50万円程(裁判所費用込み)
- 少額管財事件…50万~80万円程(弁護士による代理人申立て)
- 管財事件…80万~130万円程程(裁判所へ納める予納金が50万円からと高額)
弁護士にかかる費用は2つ!
自己破産の手続きでかかる弁護士費用には、着手金と報酬金があります。- 着手金
- 弁護士に債務整理を依頼する際、最初に払うお金です。借金の減額に成功しなくても返金されることはありません。着手金の一般的な相場は、20~40万円です。
- 報酬金
- 和解交渉が成功したときに払うお金です。報酬金の相場は20~40万円ですが、扱う事件によって金額が変わります。
裁判所にかかる費用は大きく分けて3つ!
自己破産は、裁判所に申立てを行い手続きを進めていきます。主に支払う費用は、予納金、印紙代(申立て手数料)、郵便切手代です。 また、自己破産には同時廃止事件、少額管財事件、管財事件の3つの種類があり、事件の種類によってそれぞれの予納金が異なります。種類 | 費用 |
---|---|
収入印紙 | 1,500円 |
郵便切手代 | 3,000円~10,000円 ※債権者数によって変動 |
同時廃止事件 | 10,000円~30,000円 |
少額管財事件 | 最低20万円~ |
管財事件 | 最低50万円~ |
- 同時廃止事件
- 同時廃止事件は、破産者自身に配当する財産がないことが明らかである場合に、破産管財人を選任せず開始と同時に破産手続きが終了します。とくに手続きをする必要がないので費用も3万円以内に収まります。
- 少額管財事件
- 少額管財事件は、破産者の代理人弁護士が破産管財人に協力することにより、少額負担で進める手続きです。通常の管財事件より短期間で終了し、費用も通常の50万円より20万円まで抑えることができますが、一部の裁判所での取り扱いになります。
- 管財事件
- 破産者に一定の財産がある場合に対して管財人が選任され、財産の処分と返済を取りまとめます。手続き完了までに1年以上かかり、予納金も50万円程かかります。自宅を所有したまま自己破産をすると管財事件になります。
予納金が払えないとどうなる?裁判所費用は分割できる?
自己破産費用の支払いは、破産の申立てを裁判所に提出し、裁判所側で破産手続きが必要かを判断した後に、約2週間~1ヶ月で予納金払込通知が送付されます。 ただし、大都市では「即日面接」制度があるので支払い日が早くなる可能性もあります。予納金の支払いがないと手続きがストップする
自己破産に必要な予納金を支払わないでいると、これから進める手続きもストップしてしまいます。支払い期限はとくにありませんが、長期支払いがなければ通知が届きます。 弁護士に自己破産を依頼している場合は、申立て前に弁護士に費用を支払う必要があります。 予納金の支払いができない場合は、裁判所の担当者に相談することもできます。 予納金は管財人に支払う報酬も含まれます。その他、内訳として官報公告費用もあります。自己破産を手続きすると官報に個人情報が掲載されますが、その掲載費ということです。10,000~19,000円程度になります。予納金を安く抑える方法はない
予納金は基本的に安く抑えることはできません。管財事件として扱われると20~50万円の費用がかかります。 各裁判所によって違いますが、東京地裁では最大4回(4ヶ月)まで分割納付が認められています。 ただ、分割払いで注意したいのが予納金完納までは破産手続きがストップしてしまうので手続きが延びてしまいます。 自己破産を考えている場合は、- 自己破産費用の積み立てをする
- 家族や親戚に裁判費用を借りる
一括支払いが困難であれば、半年間手続きの保留ができる場合もあります。その際、手続きは一時凍結され、半年後に予納金の支払いができたら手続き再開となります。
手続きの保留ですから、費用の分割とは異なります。半年間の間に自力で費用を準備しないといけません。
自己破産費用を親や親しい人から借りる時の注意点
自己破産費用は高額です。自身で準備できず親などから借りるケースも十分あり得ます。自己破産手続きをする前提で、親からお金を借りるにはいくつか注意することがあります。- 借りたお金(援助金)は返済に当てない
- 借りたお金でギャンブルや浪費で使ってはいけない
- 援助金が借金残高を上回り、返済できれば自己破産はしなくても良い
借りたお金は返済に当ててはいけない
自己破産の手続きを前提に、親から援助金を受け取っても返済に当てず、自己破産でかかる弁護士費用、管財人事件であれば予納金、または官報公告費に当てましょう。 自己破産手続き前は、裁判所では債務者のお金の動きを細かくチェックし、注目しています。免責の許可を得るためには、援助金は不透明な動きをせず、自己破産費用にしましょう。 援助金を受け取り不明な点や不安がある場合は、弁護士など専門家に相談してみましょう。また、複数の借り入れ先がある場合、1社だけに返済すると「偏頗弁済」となり免責不許可事由に該当することもあります。
援助金はギャンブルなどに使ってはいけない
せっかくの援助金を、パチンコや競馬などギャンブルや高額な買い物に使ってはいけません。自己破産をする時、自身のギャンブルや浪費が原因で自己破産が認められない(免責不許可事由)場合もあります。援助金で返済を賄えられれば自己破産の必要はない
親などから援助金が負債よりも多い場合は、全額借金返済に当てることができます。そうなると自己破産はしなくても良くなります。 援助金で借金全てを返済できなくても、一部を返済し残りの借金は自力で完済ができることもあります。自力で返済できると、自己破産のような重いデメリットを負うことがなくなります。親からの援助金は、借り入れではないと説明できるように
自己破産費用(弁護士費用、管財人引継ぎ費用、官報公告費用など)は親からの援助金をあてることができます。 ですが、借りても返すつもりがない「借り入れ」を自己破産費用にあてる場合は、詐欺罪に問われることがあります。免責不許可事由にも該当します。援助金に関しては、借り入れではなく「贈与」だと証明、説明できないといけません。親や親族間であっても、お互いが贈与だと証明できるよう「贈与契約書」や「念書」など作成すると良いでしょう。
裁判所では、破産申し立て費用は「どうやって調達したか?」聞かれることもあります。通帳の調査では、親など援助者の名義人の名前が取引履歴に残っていると「どういう内容の入金か?」問われる可能性があります。
自己破産の申し立ての際、自己破産費用の援助を受けた時は正直に申告しましょう。「援助金はどうやって手に入れたか?」「援助者は、援助金は自己破産費用だと知っているのか?」など報告しなければなりません。
また、援助者にも援助金について贈与であり、自己破産申立て費用だと申告すると話しておく必要があります。嘘の申告は、免責が認められなくなるので注意しましょう。
自己破産の費用を安く抑える方法
自己破産の条件や、自己破産後の生活について確認し、納得できたので自己破産の手続きを進めたいと考えている人の中には、金銭的に余裕がなく手続きをどうしようか迷っている方が多いものです。 費用が少しでも安くなればそれに越したことはありませんが、費用の安い弁護士事務所や相談機関を使って抑えることができます。法テラスの相談窓口を利用する
法テラスは、国が設立した相談窓口で各都道府県に設置されています。債務整理や法律に関する問題などの電話相談や窓口紹介を行っています。 法テラスには「民事法律扶助」制度があり、資力基準を満たしていれば弁護士費用の立て替えや無料相談を受けることができます。 民事法律扶助は、交渉や調停、裁判など手続きの弁護士費用の立て替えや裁判所に提出する書類の作成費用の立て替えを行ってくれます。 具体的に、法テラスの民事法律扶助制度を活用すると自己破産費用は以下のようになります。費用の目安として参考にしてみてください。- 借り入れ件数が1~10社あると、実費23,000円、着手金132,000円
- 借り入れ件数が11~20社あると、実費23,000円、着手金154,000円
- 借り入れ件数が21社以上あると、実費23,000円、着手金187,000円
- 収入が一定額以下…手取り月収額が182,000円以下
- 資産が一定額以下…資産の合計180万円以下
- 給料明細
- 課税証明
- 確定申告書
- 住民票のコピー
- 通帳のコピー
- 借金に関する書類など
新型コロナの影響で、自己破産申請が急増と言われています。収入の激減や急なリストラなどで無収入になると費用がない状況で自己破産の検討になります。
制度利用には一定の条件が必要となりますが、条件緩和の措置が検討されています。法テラスに一度相談してみてはどうでしょうか。
初期費用が無料でも総額で決めることが重要
自己破産でかかる弁護士費用の相場は20~40万円です。しかし、個人事務所では費用を独自で設定できるので、着手金は0円でも報酬金をしっかり設定する事務所もあります。 重要なのは、総額がいくらになるか、ということです。着手金が無料でも報酬金を多く取っていることもあるので総額を計算して、見極めることが大切です。弁護士費用の分割払いが可能な事務所を探す
個人の弁護士事務所では、初回相談を無料で行っているところもあります。相談時に費用の見積もりの提示や、分割払いが可能かどうかも確認してみると良いでしょう。 債務整理の依頼者が、多額の費用を準備できないことを弁護士も承知しているので分納を認めてるところも多くあります。 また、事務所によっては初期費用や、報酬金をとらないところもあるのでこちらも併せて確認しておきましょう。生活保護受給者は法テラス利用で弁護士費用が免除になる
生活保護は、家族や身内からの支援や、家や車などの資産もなく必要最低限の収入を得られない方のための制度です。 生活保護を受給していると自己破産ができないのでは?と心配することもあるかもしれませんが、生活保護を受給中に自己破産する方法はあります。また、法テラスを利用すれば弁護士費用にかかる着手金や実費を立て替えてもらえます。生活保護を受けていれば、裁判終了後に立て替え費用の返還免除の書類を提出することができます。それによって、弁護士費用は全て免除になります。
生活保護受給中でも自己破産は可能です。その際は、ケースワーカーに相談や報告も忘れずに行ってくださいね。
ただし、自己破産の手続きにかかる裁判所費用は自己負担になるので管財事件となると、最低でも20万円以上が必要になります。
司法書士に依頼すれば費用を抑えられる
弁護士のほか、司法書士にも自己破産の依頼ができます。費用の相場はおよそ20~30万円程になります。 費用を抑えられる反面、デメリットもあります。通常、弁護士に自己破産を依頼すれば手続きの代理などほとんどお任せできますが、司法書士の場合は文書作成の代理のみとなります。裁判所での面談、債権者とのやり取りは自身で行わなければなりません。管財事件の場合、少額管財を持ち込めないので(弁護士の協力必須だから)通常の管財事件となり費用が高くなることも…。
一見費用は安く済みそうですが…
- 裁判所に出向くことが多い
- 慣れない債権者との話合い
自己破産の手続きを自身で行う
債務者が自己破産の手続きを行うことで費用を安くおさえることができます。しかし手続きには、申立てに必要な書類取得や提出、裁判所とのやりとりや面接も1人で行わなければいけません。 費用は安く済みますがデメリットとしては、- 自己破産の手続きが長期化する
- 即日面接が受けられない
- 債権者との交渉が難しい
- 個人の場合は破産管財人が選任されやすい
破産管財人は債務者の財産調査を行い、とくに個人の申立ての場合は選任される可能性が高くなります。選任されると、この破産管財人にかかる費用は申立者が払うことになります。
そう考えると、初めから弁護士に依頼したほうが安くなる場合もあります。
自己破産に強い弁護士を探す方法は?
自己破産の費用をできるだけ安く抑えるには上記でも説明しましたが、信頼できる専門家を探すことも大切です。 自己破産の整理を過去に多く扱っていた弁護士、専門知識や費用面でも解決の糸口を迅速に提示するなど、仕事が早いことも特徴に挙げられます。 自身で事務所を探す場合は、下記のポイントについても確認してみてください。地方自治体の法律相談を活用する
地方自治体では、市民相談窓口で定期的に弁護士(司法書士)との相談会を開催しています。時間は15分~30分と限りはありますが、相談によって直接弁護士(司法書士)と話すことができます。 その際に、弁護士の人柄や相性を見ることはできますが、必ず相談時の弁護士が手続きを行うとは限りません。 過去の実績を聞いたり、自己破産に強い弁護士を紹介してもらうことはできます。利用者から紹介してもらう
債務整理を利用した身内や知人に専門家を紹介してもらうのが一番分かりやすいですが、周りにいない場合は、ネットの口コミや個人事務所のホームページで確認することができます。個人事務所のホームページには、「相談や実績件数」「免責不許可ゼロ」「分割払い可能」など情報を掲載しています。
弁護士の顔が見えて、利用者の満足度が高いところを選ぶのも良いでしょう。
法テラスの電話相談を利用する
法テラスでは、全国どこからでも電話相談を受け付けています。内容に応じた相談機関や団体の紹介もしてもらえます。 全国各地に事務所があるので、お住まいの法テラスで紹介を受けることもできます。 資力基準を満たせば、弁護士(司法書士)との面談を1件の問題につき、3回受けることが可能です。自己破産費用が安い法律事務所は存在する!
法律相談の活用や利用した方の口コミを参考にすれば、自己破産に特化した法律事務所は見つけられます! 自己破産専門サイトを立ち上げたり、自己破産だけに力を入れている法律事務所も存在します。そのような法律事務所へ依頼すると、リーズナブルな価格で相場よりも費用を抑えることができます。 自己破産専門の法律事務所へ依頼すると…- 自己破産後のサポート体制が抜群
- 必要があれば生活保護申請のサポート
- 初期費用不要
自己破産にかかる費用準備の積み立ても大切!
自己破産は、事件の種類によって20~50万円程かかることが分かりました。裁判所にかかる費用は必ず支払わなければいけないので、遅くなると手続きもストップしてしまいます。 会社勤めで自己破産を考えてる場合は、費用相場を知って積み立てをしていくことも大切です。 相談機関をうまく活用しながら、信頼できる専門家に依頼できるように直接会って話すことをおすすめします。よく読まれている記事
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