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自己破産 2023/04/24

自己破産できない…2つの手続きの条件を満たせないなら専門家に相談を!

債務整理には、任意整理と個人再生、自己破産があります。今ある借金をゼロにすることができるのは、自己破産だけです。

しかし、自己破産は誰でも簡単にできるものではありません。

2つの条件を満たした人のみ、自己破産を行うことが出来るのです。

今回は、自己破産をする為に必要となる条件を徹底解説していきます。

自己破産には【破産手続き】と【免責手続き】がある

自己破産は、2つの段階があります。

内容
破産手続き 申立人の支払い能力を調査する
免責手続き 借金の原因や経緯を調査し、支払い義務の免除について判断する
自己破産をすれば必ず借金がゼロになると思っているかもしれませんが、実際は免責許可の決定を得ることで初めて借金が免除されるのです。

自己破産の手続きは行うことが出来ても、免責決定が認められない可能性はあります。

ただ、免責が認められなかった場合でも、専門家に相談することで、任意整理や個人再生といった他の債務整理で、借金減額を検討することが可能となります。

知っておくべき2つの手続き方法

自己破産の手続きには2つの方法があり、かかる時間や手間、手数料が変わってきます。

それぞれの方法をご紹介しておきましょう。

同時廃止
0万円以上の資産価値がある財産を持っておらず、破産手続き費用を支払うことが出来ないと認められた際に行います。
管財事件
破産管財人が必要になる手続きで、管財人費用として20万円程度が必要となります。申立人の財産を調査、必要に応じて現金化し債権者に分配します。
同時廃止の場合は、破産手続き開始決定と同時に手続きが終了となりますが、管財事件になると時間や手間、そして金銭的負担が大きくなります。

同時廃止事件の条件として、所持できる財産は20万円未満になります。財産など調査する管財人は付きませんので、裁判所費用は1~5万円程度になります。

裁判所により費用は異なりますが、東京地裁を例にあげると裁判所費用は1万5,000円程度となります。また、手続き期間は3~4ヶ月程度と短期間で終了します。

管財事件の条件は、20万円以上の財産があり、負債額が5,000万円以上と多額な場合に行われます。また、免責不許可事由に該当した場合、自己破産を認めるには免責の調査も必要になります。

同時廃止と比較すると、裁判所費用(管財人への予納金など)は50万円以上と高額になります。手続き終了まで6ヶ月以上時間がかかります。

どちらの方法になるかは、借金の状況や資産の有無などによって決定されます。

破産手続き開始決定に必要な条件

破産手続きのためには、【支払い不能】であるとみなされることが必要です。

支払い能力が無い、これ以上返済することができない、そう判断されることが条件なのです。

【支払い不能】の定義をご紹介しておきましょう。

  • 借金返済にあてるための財産を有しない者
  • 借金返済にあてる金銭を調査することが難しい状態にある者
  • すでに履行期にある返済が滞っている者
  • 継続的かつ客観的に見て、弁済能力がないと判断できる状態にある者

不動産や車など現在有している財産があれば、それを処分することによって支払い能力があると判断されます。

また、現在無職でも、労働して収入を得ることが可能だと判断されれば自己破産はできません。

借金額が大きい、少ないということは関係なく、年齢や健康状態・収入状況、借金の総額によって総合的に判断することになるのです。

ただ返済が苦しいからという理由で自己破産をすることはできません。

100万円以下の借金は、自己破産が認められないことが多いです。理由は、一般的に借金100万円は、返済可能な借金だと判断されるからです。

生活保護受給者ややむを得ない事情があれば、自己破産が認められることもあります。

免責手続きに必要な条件

借金の返済をゼロにするためには、【免責不許可事由】に該当しないことが条件となります。

  • 財産隠し
  • 換金行為(クレジットカード現金化など)
  • 浪費・ギャンブルによる借金
  • 書類の破棄・改ざん
  • 虚偽の申告
  • 詐欺的な借り入れ
  • 債権者を偽る
  • 一部の債権者にのみ弁済
  • 過去の自己破産から7年未満
  • 破産管財人等の業務を妨害する
  • 破産法上の義務に違反する

これらに該当する事由があると、免責を認められずに借金が残ってしまう可能性があります。

財産隠しや借金の原因がギャンブルや浪費、クレジットカードの現金化などは、債権者に損害を与える行為と見なされます。やむを得ない理由の借金とは異なり、不誠実な借金として免責が認められません。

ギャンブルが理由の借金でも免責になる可能性はある

免責不許可事由として、浪費・ギャンブルによる借金が挙げられています。しかし、ギャンブルが理由の自己破産でも免責が認められるケースがあります。それが、裁量免責という制度です。

裁量免責とは
免責不許可事由があっても、裁判所の裁量によって免責が認められる制度です。

裁判所は、借金をするにあたった状況、破産手続き開始決定に至る経緯などの事情を考慮し、免責を許可することができるのです。

  • 破産手続きへの協力
  • 経済的更生の可能性

裁判官との免責審問を行う際に、正直に、真摯に対応することが重要となります。

ギャンブルが理由と言っても、少額を使い娯楽として楽しむ程度であれば免責が認められることがほとんどです。

ですが、給料の大半をギャンブルに使ったり、ギャンブルが原因で生活ができないなどは、免責が認めらない可能性が高くなります。

ギャンブルが重い原因になっている場合、「管財事件」になり破産管財人が選出されます。収入や財産、自己破産に至るまでの経緯を徹底的に調べ上げられます。

破産者は、家計簿をつけお金の使い方や節約など、収入に見合った生活ができるか管財人に観察されます。

この免責調査の結果、反省や更生の余地があれば、管財人に免責が認められます。

住宅ローンも免責が認められる

自己破産をする際には、住宅ローンの残額についても免責対象となります。

免責が決定すれば住宅ローン残高を返済する必要はありませんが、その住宅は「競売」にかけられることになるため、家は手放さなければいけません。

住み慣れた家を手放したくない場合は、個人再生など別の債務整理の方法を検討してみるのも手です。個人再生なら、住宅ローンがあっても住宅を維持したまま借金を大幅に減らすことができます。

また、自己破産するとブラックリスト入りになり5~10年は、住宅ローンをはじめ各種ローンの契約ができなくなります。

奨学金も自己破産で免責対象となる

奨学金の返済についても、自己破産での免責対象となるため自己破産後は奨学金の返済義務はなくなります。

また、両親が自己破産をした場合は子供の奨学金利用が難しくなるのでは?と心配するかもしれませんが、親の自己破産が原因で子どもが奨学金を利用できないことはありません。

奨学金の借主は、あくまでも子供自身になるためです。しかし、ブラックリスト扱いとなっている期間は連帯保証人として親が契約するのは難しいため、他の親族に保証人を頼む、別途保証機関を利用する、という必要があります。

免責の許可が認められなかった時の対処法の紹介

裁判所に免責が認められず自己破産ができない時は、即時抗告し意義の申立てができます。

免責が不許可となった1週間以内の申立てになりますので、どうして免責が認められなかったか早急に確認が必要になります。

連帯保証人と保証人がいる場合は要注意

自己破産をして免責が決定すれば返済義務はなくなります。しかし、連帯保証人や保証人がいる場合は別です。

自己破産では契約者本人の返済義務は免除されても、連帯保証人や保証人の返済義務は残ってしまいます。

連帯保証人は、債務者である契約者本人と同等の返済義務を負っています。

一方保証人は「請求は主債務者に行ってほしい」「主債務者から強制執行してほしい」と主張することができる権利を有していますが、主債務者が自己破産になれば返済能力が無いことは明らかとなるため、保証人であっても返済から逃れることは難しいのです。

住宅ローン残高がある場合、連帯保証人自身がマイホームを手放して返済しなければいけない状況に陥ることもあります。また、金額によっては連帯保証人・保証人が連鎖的に自己破産になるケースもゼロではありません。

自己破産は連帯保証人、保証人に大きな影響を及ぼしてしまう、迷惑をかけてしまうことになることを忘れてはいけません。

自己破産できない場合の対処法

自己破産が出来なくても、その他の債務整理方法を検討することが出来ます。

  • 借金額を5分の1程度まで減らし3~5年かけて返済する個人再生
  • 将来利息をカット、分割回数を増やして月々の返済額を減らす任意整理

どちらの方法を選択しても、今よりも借金額を減らすことが可能です。

自分にとってどの方法がベストなのか、弁護士などの専門家に相談しましょう。

借金の無料相談を行っているところは多い!

借金に悩んでいるときは専門家への相談が必要だと分かっていても、相談・依頼する際の費用を考えて躊躇してしまう方も少なくないかも知れません。

しかし、借金相談については、無料としている弁護士事務所、司法書士事務所や自治体は多くあります。

自治体の無料相談会は定期的に開催されていますので、自治体に問い合わせてみると良いでしょう。

また、メールで無料相談ができる弁護士事務所・司法書士事務所もありますので、そういうところに問い合わせをしてみても良いですね。

無料で相談できる公的機関【法テラス】

どこに相談すれば良いか分からないという場合は、法テラスに問い合わせれば適切な相談窓口を教えてくれます。

国が設立した法的トラブル解決の総合案内所なので、安心して相談できますね。

ただし、法テラスを利用するためには条件をクリアする必要があります。

収入等が一定額以下である
1人暮らしの場合は手取り月収額の基準が18万2,000円もしくは20万200円以下で、家賃または住宅ローン負担字には4万1,000円または5万3,000円を加算した限度額を超えない事、そして資産180万円以下が基準となります。
申込者と同居している家族の収入、そして居住地などにより基準限度額が異なります。
民事法律扶助の趣旨に適する
報復的感情を満たすためだけの宣伝、権利濫用的な訴訟の場合は利用できません。

この条件を満たした場合は、1つの問題に対して1回30分程度、3回までの相談を弁護士または司法書士に行うことが出来ます。

法テラスを利用する前には事前予約が必須

法テラスで相談を行うためには、事前の予約が必要です。相談可能な法テラスは、居住地または勤務地が存在する都道府県内に限られます。

相談予約は電話、もしくは直接訪問が必要となり、実際の相談場所については法テラスだけではなく、提携している弁護士、司法書士の事務所で行う場合もあります。

法テラスでは弁護士・司法書士費用の建て替えが利用できる

自己破産などの債務整理を行うためには、弁護士や司法書士に対する報酬(着手金・報酬金)、裁判所に納める予納金が必要となります。

この費用が支払えない方に対し、法テラスでは報酬を立て替え・分割での支払いを行う民事法律扶助制度を行っています。

民事法律扶助制度を利用するためには、先ほど紹介した2つの条件に加えて勝訴の見込みが無いとは言えない事、という条件も加わります。自己破産の場合は、【免責見込みのあること】を条件として含みます。

また、法テラス利用での債務整理については報酬金は着手金を意味し、成功報酬は原則発生しません。また、報酬額も規定されているので安心して利用することが出来ます。

司法書士依頼 弁護士依頼
着手金 86,400円 129,600円~275,657円
実費 17,000円 23,000円
合計額 103,400円 152,600円~298,657円

自己破産の場合は別途予納金が必要となりますが、これは立て替えてもらうことが出来ません。22万円ほどかかりますので、こちらは自分で用意しておく必要があります。

また、管財事件でなく同時廃止の場合は予納金は15,000円程度で済みます。

自己破産の条件は【支払い不能】と判断されること

自己破産は、借金返済のための財産がなく、金銭の調達も難しいなど【支払い不能】に該当しなければ行うことが出来ません。

また、破産手続きが出来たとしても免責が認められないと借金は残ってしまいます。借金の理由がギャンブルや浪費といった免責不許可事由に該当しない事が必要となるのです。

ただし、状況によっては免責となる場合もありますし、他の債務整理を行うことができる場合もあります。自己破産を検討したいという場合は、まず専門家に相談することをオススメします。

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