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債務整理について 2023/08/23

債務整理とは?デメリットは?したらどうなる?費用や条件、影響と借金が減る仕組み

債務整理とは、借金を抱えている人が返済額を減らしたり支払い期間を短くするなど、「国が認めた法的な措置」で解決する方法です。 専門家が債権者と減額交渉を行うと、生活の立て直しができ新たな希望が生まれます。

債務整理を考える際には、個人向けなのか、事業所・法人向けなのかを考える必要があります。個人向けの債務整理の種類や条件、会社が倒産する際の法的種類について解説します。

借金救済制度なら減らせる!?

↓↓↓

Contents

個人の債務整理の種類(任意整理・個人再生・特定調停・自己破産)

個人の債務整理には、

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 特定調停
  • 自己破産

の4つの種類があります。

年齢制限や借金の額も関係なく専業主婦や未成年、高齢者でも利用することができます。

「借金が減額」できるかもしれない制度なので、借金返済に困っている方は検討してみてはいかがでしょうか。

任意整理
利息制限法に沿って、上限金利15~20%の引き直し計算を行った上で弁済額を決定し、債権者と和解交渉を行い3年程度で返済する手続き。
個人再生
個人再生が認可されると減額された債務を3~5年で支払い、条件を満たせば財産や住宅を維持しながら手続きが可能。
特定調停
簡易裁判所が債務者と債権者の話し合いを仲裁し、条件や減額の和解交渉を行う手続き。利用制限法の上限金利15~20%の引き直し計算を行い分割して返済していく。
自己破産
裁判所に破産申立書を提出し、免責許可をもらうことで税金や養育費を除く全ての借金を払う必要がなくなる手続き。

任意整理は裁判所を通さず利用しやすい

任意整理は、裁判所や債権者を通さずに借金の減額交渉を行う手続きです。

賃金業者に直接交渉し、支払いの利息分カットや返済期間の引き伸ばしをしてもらえるので、自己破産せずに返済計画を立て直すことができます。債務者が直接交渉をすることもできますが、闇金業者など直接交渉が難しい業者も存在するので、通常は司法書士や弁護士といった専門家に依頼して行います。

任意整理をするとどうなるのでしょう?任意整理後は、交渉で決定した無理のない返済をすることができます。

ただ、任意整理の情報が「5年間」信用情報機関に記録されるため、新しいクレジットカードが作成できなかったり、既存のカードが使えなくなる可能性もあります。

【任意整理が向いている人】

 

  • 特定の債権者を外して任意整理したい人
  • 家族に内緒で手続きしたい人
  • 住宅ローンの返済も一緒にしたい人
  • 毎月の返済がなんとかできそうな人
  • 何度も事務所に足を運べない人
【任意整理ができる条件】

 

  • 安定した収入があること
  • 原則3~5年以内に元金分を完済できること
  • 返済する意思が強い人

個人再生は裁判所を通して借金を大幅減額できる

個人再生とは、債務者が裁判所に申し立てを行い借金を減額してもらいながら原則3年(最長5年)で返済していくという手続きです。

自己破産のように借金金額の返済義務がなくなるわけではありませんが、任意整理と比べても債務の元金を大幅に減額でき、職業の制限もなく住宅や車を維持しながら減額できます。

【個人再生が向いている人】

 

  • 住宅ローンがありマイホームを手放したくない人
  • 多額の借金はあるが、減額されれば返済できる人
  • 自己破産をしても免責が認められない人
【個人再生ができる条件】

 

  • 安定した収入があること
  • 債務の総額が5,000万超えない人
  • 再生計画案で減額された借金を原則3年(最長5年)で返済できる人

個人再生には、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類があります。

小規模個人再生
小規模個人再生は、住宅ローン以外の借金総額が5,000万円以下で継続した安定収入がある人が利用できる手続き。手続き終了後から原則3年で借金返済を条件とし、小規模個人再生を申立てした90%以上は借金問題を解決している。
給与所得者等再生
給与所得者等再生とは、無担保債権が5,000万円以下でサラリーマンなど将来的に安定した収入の見込みのある債務者ができる手続き。手続き終了後から原則3年で返済する再生計画案を作成し、返済していない債務を免除してもらえる。

個人再生で再生計画案が認可された場合、最低弁済額は下記のとおりです。

※最低弁済額…法律で定められた最低限返済しなければいけない金額

借金総額(住宅ローン除く) 最低弁済額
100万円未満 借金全額
100万円以上500万円未満 100万円
500万円以上1500万円未満 借金額の5分の1
1500万円以上3000万円未満 300万円
3000万円以上5000万円以下 借金額の10分の1
気をつけたいのは、所有する財産の合計金額が、最低弁済額を超える場合は返済額が増えます。

例えば100万の価値のある自動車を保有し、預貯金が50万あれば清算価値は150万円となるため、借金総額が300万であっても最低弁済額は100万円ではなく150万円となります。

特定調停は裁判所が仲裁役となり債務者を支援する制度

任意整理は弁護士や司法書士が債務者の代理人となって和解交渉を行うのに対し、特定調停は裁判所が仲裁役となって債務者本人が債権者と話し合い和解の成立を支援する手続きです。

特定調停は、

  • 特定調停申立書
  • 財産状況が把握できる明細書の準備
  • 債権者から過去の取引履歴を開示

こういったことが必要もあるため、相当な期間を要することも少なくありません。

また、債務者は費用を大幅に節約できる反面、債権者の中には特定調停に対して非協力的な対応をされることもあり、調停成立までの間の遅延料や調停成立後の利息の支払いを命じられることがあります。

【特定調停が向いている人】

 

  • 安定した収入がある人
  • 金銭的な費用を抑えたい人
  • 特定の債権者を外して任意整理したい人
【特定調停ができる条件】

 

  • 減額後、借金が3年程で返済できる人
  • 裁判所の申立てや出廷ができる人
  • 申立書や債権者名簿などの必要書類が作成できる人

任意整理と特定調停を比較すると、ほぼ同じ条件で和解を目指しますが、その違いは「裁判所の仲裁」です。

また、任意整理にはありませんが現在給与が差し押さえられているなど急を要する状況であれば「強制執行停止機能」があります。

強制執行停止機能
特定調停の手続き中に給与や不動産の差し押さえの停止を行える。裁判官が強制執行の停止が必要と判断すればやめさせることができる機能。

自己破産は支払不能を裁判所に申立て免責許可をもらう法的制度

自己破産は多重債務など経済的に返済ができない(支払不能)という状態になった場合に裁判所に申立てを行い「免責許可」をもらう法的制度です。

年齢や職業に関係なく、支払不能という状態であれば誰でも申立てを行えます。

免責が決定されれば「借金返済はゼロ」になります。

ただし、破産とは関係ない税金、養育費、罰金、不法行為による損害賠償請求権などの非免責債権は義務によって支払う必要があります。

【自己破産が向いている人】

 

  • 多額の借金を抱えてる人
  • 財産がほとんどなく少額でも払えない人
  • 生活保護を受けている人
  • 他の債務方法が選べず精神的に不安定な人
【自己破産ができる条件】・免責不許可に該当しない人

 

※以下に該当している人は免責不許可になる可能性があります

  1. 財産の隠蔽や不動産の名義を変える
  2. クレジットカードで購入した商品を現金に換える
  3. 一部の貸金業者だけを優先して返済する
  4. ギャンブルやショッピングなどの浪費で財産が減少した場合
  5. 支払能力がないのにあると騙した詐欺的な借入
  6. 帳簿や書類の隠蔽行為
  7. 裁判所が行う調査に対しての説明虚偽・拒絶
  8. 破産管財人(代理人・保全管理人・保全管理人代理人)の職務を妨害する
  9. 過去の免責許可決定日の申立てから7年を経過していない
  10. 債務者が破産についての事情説明や明らかにすることに非協力的

免責許可が認められると借金がゼロになり、貸金業者からの取り立ても止まりますが、それ相応のデメリットもあります。

1.クレジットカードを作ったりローンが組めない
信用情報機関に事故情報(ブラックリスト)が記録されるため新たなクレジットカードを作ったり、ローンを組むことができません。記録は5~10年程で抹消されます。
2.不動産や車など20万以上の財産は処分される
破産手続き中に20万以上の価値のある不動産や車、金銭の請求権などもすべて処分されてしまいますが、手元にある99万円までの現金は生活のために必要最低限の財産として残せます。
3.破産申立てから免責決定までの期間は職業に制限がかかる
申立てから免責決定までの期間は、資格を必要とする職業(弁護士・司法書士・宅地建物取引業者など)就ける仕事に制限がかかります。自己破産後は制限が解除されます。
4.国が発行する「官報」に名前と住所が掲載される
官報は国が発行する機関紙で自己破産の個人名や住所が掲載されています。閲覧するのは金融業者や信用情報機関、市役所の一部担当者なので一般の人が見ることはほとんどありません。

長期の借金返済で払いすぎたお金が戻る過払い金請求

過払い金請求とは、長期の借金返済で払い過ぎたお金を賃金業者から請求できる手続きです。

貸金業法の改定前、つまり2008年以前までに借入し、長期で返済を続けてる人は過払い金が発生している可能性があります。貸金業者から借りたお金の上限金利は、利息制限法という法律で借金額の15~20%となっており、2008年以前には年29.2%を上限とし「グレーゾーン金利」と呼ばれていました。

この払いすぎたグレーゾーン金利を請求できるのが「過払い金返還請求」ですが、2008年以前に借入を行い長期に返済をしていても15~18%の低金利で貸付を行っていた業者は過払い金が発生しないことがあります。

過払い金請求にはいくつかの条件があり、お金が戻ってくるというメリットもある一方、デメリットもありますのでこちらも合わせて参考にしてみてください。
(返済途中であるか、完済しているかでも違う)

【過払い金請求ができる条件】

 

  • 2010年6月17日以前までに借入がある
  • 完済後(最終取引日)から10年を経過していない

※完済後10年が経過してる場合は過払い金請求ができません

【過払い金請求のデメリット】

 

  • 借金返済中に過払い金請求を行うと、ブラックリストへ登録される
  • 過払い金請求をした貸金業者からの借入ができなくなる

債務整理中や債務整理後にクレジットカードは使えない、作れない!

債務整理の手続きをするとクレジットカードの使用や、新規発行ができなくなるかもしれない…と不安に思う方も多いのではないでしょうか。

債務整理をすると、信用情報機関に事故として登録されてしまうので、その登録情報が抹消されるまではクレジットカードの使用や新規で作ることができなくなります。
【債務整理の種類別:ブラックリスト登録の開始時期】
  • 任意整理…債権者との和解が成立し手続きを開始したとき
  • 個人再生…裁判所が個人再生計画案を認可したとき
  • 自己破産…裁判所が借金の免除(免責)を許可したとき
債務整理の種類によっては一時的に使うことができますが、事故情報が信用情報機関に登録されれば、すぐにクレジットカードの利用がストップされ使うことができなくなります。 クレジットカードは生活と密着してるため、無いと不便と感じる方もいらっしゃると思います。 しかし「新規発行OK」という場合は、闇金(ヤミ金業者)の疑いもあるため手を出さないようにしてください。 ここでは債務整理とクレジットカードとの関係について見ていきます。

任意整理は債務対象外のクレジットカードを残すことができる

任意整理は裁判所を介さずに、弁護士が交渉から和解まで行う手続き方法で、個人再生や自己破産と比べてもリスクが少ないのが特徴です。

任意整理では、複数ある債務の中から整理の対象を自分で決めることができ、整理対象とならない債務を残すことで、クレジットカードの使用が可能となるわけです。

しかし、対象から外したクレジットカードであっても、金融機関は定期的に信用情報をチェックしてるので、使用できるのも一定期間になります。

逆に、任意整理をしたクレジットカードは、信用情報機関に登録されるので、解約手続きとなり使用することができません。ETCカードも使えなくなります。

いつまで使えるかは、債権者によって途上与信が行われるタイミングや経営状況によって異なります。

個人再生と自己破産は全ての債務が整理対象となる

個人再生や自己破産は借金の減額が大きい分、全ての債務を対象としなければいけないので手持ちのクレジットカードを利用することができません。

個人再生や自己破産は、銀行系のKSC(全国銀行個人信用情報センター)に登録される期間も長いので、その間にカードを作ったりローンを組むことが難しくなります。

債務整理中に新規クレジットカードは作れない

上記の説明通り、債務整理の種類に関係なく整理中は新規クレジットカードを作ることができません。整理の手続きを開始してから信用情報に登録された時点で業者も「支払い不能」と判断するからです。

それに、新規のクレジットカードを作ることは弁護士との違反契約になり業者との和解も全て無効になる可能性もあるので新規発行はおすすめしません。

クレジットカードのポイントは全て無効になるので注意

債務整理の手続きが開始されると、もちろんクレジットカードのポイントも利用ができなくなります。

ポイントの残高照会は、各クレジット会社のホームページや電話でも教えてもらえます。債務整理を考えているなら、ポイントを使い切ってから手続きを始めましょう。

債務整理をしたらETCカードも影響する

クレジットカードを作ると一緒に手続きができるETCカードも、債務整理をすることで使えなくなるので注意が必要です。

仕事の関係上、ETCで高速道路を頻繁に利用していて無くなるのは困る、という場合は「ETCパーソナルカード」がおすすめです。

ETCパーソナルカードは、クレジット機能がついておらず道路公団が運営しています。利用した通行料は、金融口座から1ヶ月単位で引落しされます。カードは1,257円(税込)の年間費がかかります。

債務整理後、クレジットカードの新規発行ができる時期と発行前に確認すること

債務整理中は新規クレジットカードの作成や使用はできませんが、信用情報の登録が外れたらいつクレジットカードの新しく作ることができるのでしょうか。

一度、事故情報を情報機関に残してしまったため、新規クレジットカード作成も慎重に進めていく必要があります。

新規クレジットカードを作る前に、審査に通りやすくするためにもいくつかの確認事項があります。

信用情報機関と事故情報の登録期間を知る

信用情報機関に掲載されることを、一般的に「ブラックリスト」とも言われてますが、日本には3つの信用情報機関があります。

債務整理を行い、信用情報機関に登録されるのは5~10年で、とくに個人再生や自己破産の場合、銀行系が運営するKSC(全国銀行個人信用情報センター)の登録期間は10年と最長です。

KSCは、不渡り情報や官報情報などCICやJICCとは異なる信用情報が登録されています。官報の掲載は10年間で、この情報をもとにブラックリスト入りを確認しています。

下記の機関が提供した信用情報をもとに、金融業者は定期的に審査を行っています。

【信用情報機関と事故情報の登録期間】

信用情報機関 会員名 任意整理 個人再生 自己破産
CIC(株式会社シー・アイ・シー) クレジット会社、信販会社、消費者金融、信販会社、携帯電話会社 5年 5年 5年
JICC(日本信用情報機構) 消費者金融、クレジット会社、リース会社、保証会社、金融機関 5年 5年 5年
KSC(全国銀行個人信用情報センター) 銀行系、信用金庫、信用組合、労金、農協 5年 10年 10年

新しくクレジットカードを作成する申込者の履歴は、3つの機関が情報を共有しています。

この年数が過ぎても信用情報の事故情報が消えていない場合もあります。住宅ローンなどの新規ローンを組みたい際には、ローン審査を出した際に事故情報が残っていると審査に通らない可能性があります。 よって、各情報機関に情報開示をし、登録が消されていることを確認してからローン審査を出すようにしましょう。

また、債務整理を行った同一グループの金融機関にクレジットカードの新規申し込みをしても審査に通らないことが多いので注意が必要です。

新規クレジットカードを申し込む前に審査を通りやすくするためには…

新規クレジットカードを申し込む前に、金融業者の審査基準を知る必要があります。審査基準には、「安定した収入」「勤続年数」「年齢」などがポイントになってきます。

その他にも、下記のような点を注意しましょう。

  • 支払いが延滞しないように返済計画を作成する
  • クレジット新規発行前に信用情報開示請求をする
  • 債務整理をした金融機関(同一グループ)の再度申込はしない

先述しましたが、クレジットカードを新規発行する前に、信用情報から登録が抹消されたかどうかを、信用情報機関に開示請求することで確認しておきましょう。登録されたままの場合、審査に通ることはほぼ難しいため、必ず開示して確認しておきましょう。

デビットカードや家族カードを持つことは可能

デビットカードは、債務整理をしても信用情報の確認がないので持つことができます。クレジットカードと違う点は、使ったその場で口座から引き落としされることです。

クレジットカードは後払いで引き落とされていた分、デビットカードは即時なので、通帳に残高がないと使うことができません。利用額を設定することもできるので使い過ぎを防止することができます。

家族カードは、本会員を家族にして持つカードです。主婦や学生など、収入がない人が持つことが多いですが、夫(妻)に安定した収入があれば持つことができます。

ただし、使い過ぎると家族に迷惑がかかる、というデメリットもあります。

債務整理は家族や職場など周囲にバレる?内緒でしたいなら知っておきたい手続き方法や注意点

借金の存在が家族や職場にバレて離婚やクビにならないか心配する人も多いかもしれません。債務整理をすると借金がバレてしまう…と勘違いして今の状況を我慢している人もいます。

債務整理の手続きには「任意整理」「個人再生」「特定調停」「自己破産」の4種類がありますが、中でも任意整理は家族や職場にバレず手続きができます。

どうして任意整理は借金がバレにくいのか、その理由や手続き後の気をつけたいポイントについて説明していきます。

まずは任意整理についてです。弁護士や司法書士が貸金業者と直接交渉するからバレにくいと言われています。

任意整理は、弁護士や司法書士が債務者の代わりに貸金業者と交渉を行い返済額や返済期間を決定します。

裁判所を介さずに、弁護士や司法書士が交渉をするので債務者は何度も足を運ぶ必要がなく手続きも簡単に進められるので債務整理の中では一番バレにくい手続き方法です。

【種類別の手続き期間と流れ】

債務整理の種類 期間 手続きの流れ
任意整理 3~6ヶ月 債務調査票・整理案の作成→弁護士・司法書士が貸金業者と交渉→同意・承諾で弁済開始
個人再生 6ヶ月~1年 地方裁判所へ再生手続きの申立て→再生手続き決定→裁判所へ再生債権の届出と再生計画案の提出→再生計画案の認可
特定調停 3~5ヶ月 簡易裁判所へ特定調停の申立て→申立て後裁判所へ出頭(2回~)→調停成立
自己破産 6ヶ月~1年 地方裁判所に自己破産の手続き申立て→裁判所からの口頭質問→破産手続き開始決定

任意整理は書類の作成から同意・承諾まで約半年で手続きが進められ、債務者が弁護士事務所に足を運ぶ回数も少ないのでバレにくくなります。

反対に個人再生や自己破産は、裁判所を利用した手続きなので平日に何度も行く必要があります。とくに自己破産は不動産や生命保険など財産の没収もあるのでバレる確率が高くなります。

任意整理を専門家に依頼すればバレにくい!

任意整理の手続きが始まると、滞納した借金で通知される督促や返済にストップがかかるのでバレにくくなります。

督促がストップするタイミングは、弁護士や司法書士が受任通知を送り債権者に送達された時点です。早くて、1~2日で債権者からの督促がストップします。

その間、督促の電話が自宅や職場に来ないか心配することもあるかもしれませんが、貸金業法で、

「正当な理由がないのに、債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所に電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所を訪問してはいけない」(貸金業法21条1項3号)

と決められています。

債務者の不明や音信不通など、正当な理由がない限り過剰に心配する必要はありません。

また、任意整理は必要書類が少なくても手続きができる点からもバレにくいいです。

任意整理の手続きで必要な書類は、身分証明書や借金の支払いに関する明細書などです。

  • 身分証明書(免許証・健康保険証・パスポートなど)
  • 印鑑
  • 給与明細・課税証明書・源泉徴収票
  • 預金通帳
  • 借入先のクレジットカード・キャッシュカード
  • 不動産を所有してる場合は登記簿謄本
  • 生命保険証券・車検証

収入明細書や源泉徴収票がなくてもだいたいの収入を聞かれるだけなので職場に再発行してもらう必要もありません。どの業者からいつどれだけの借金をしたかまとめた書類があると相談や手続きがスムーズになります。

準備する書類がたくさんあるように見えますが、任意整理は裁判所の公的機関を通さないため正式な書類を用意する必要がありません。書類は弁護士や司法書士が的確に債務情報を把握し、交渉をスムーズに行うための資料になります。

必要書類の全てがそろっていなくても任意整理ができないわけではありません。

借金がバレてしまう原因の中で一番多いのが、貸金業者からの連絡です。返済を滞納してしまうと催促の電話や督促状が郵送してくるようになります。

先に述べた通り、返済を滞納しても任意整理の手続きが開始されれば督促や返済もストップします。

固定電話にかかってきた催促の電話をうっかり家族が取ってしまったり、郵送された督促状が見つかって家族にバレてしまうことが多くあります。

任意整理で弁護士や司法書士が貸金業者の間に介入すると、貸金業者は債務者個人の携帯でのやりとりになるのでバレる可能性が低くなります。

個人再生と自己破産は職場や家族にバレやすいので注意が必要

債務整理の中で会社や家族にばれやすいのが「個人再生」と「自己破産」です。個人再生や自己破産は裁判所に申立てを行う際に退職金見込額を求められます。

会社に依頼して退職金見込額を証明する「退職金見込額証明証」を作成してもらう必要があるので作成理由について問われた場合、正直に話してしまい職場にバレる可能性があります。

また、共働き世帯であれば配偶者の給与明細書や源泉徴収票が必要になるので書類を揃える段階でバレてしまう可能性が高くなります。

持ち家や車などの処分は、家族に隠し通すことは不可能です。持ち家は没収後、競売にかけられますので「どこに住むのか?」と家族で話合う必要があります。

「バレないように」というよりは、きちんと事情を話し理解してもらわないといけません。

【個人再生・自己破産がバレやすい理由】

  • 配偶者の給与明細書や源泉徴収票が必要
  • 退職金見込額証明証の作成時にバレる
  • 貸金業者からの催促の電話や督促状でバレる
  • 裁判所に何回も通う必要があるのでバレる
  • 自己破産は財産没収(持ち家・生命保険・預貯金)でバレる

債務整理の中で任意整理はバレにくい!しかし気をつけなければいけないことがある!

任意整理がバレにくいと分かったとしても、うっかりしたことでバレてしまっては元も子もありません。依頼する前に気を付けたいポイントをチェックしておきましょう。

  • 対応に慣れている知識を持った専門家に依頼する
  • 職場や家族に内緒にしたいことをしっかり専門家に伝える
  • 任意整理後は借金の滞納をしない(滞納した場合は依頼した専門家へ相談する)

貸金業者の中には任意整理の対応に慣れた担当者もいて、和解に応じてくれないこともあります。専門知識を持った任意整理に強い弁護士や司法書士へ依頼することも大切です。

弁護士や司法書士はそれぞれの得意分野があり債務整理の交渉に強い専門家がいることも確かです。

債務整理に関して精通しているかを見極めるポイントは、豊富な実績があるのか、債務整理で成功した事例の掲載有無や直接電話で確認してみるのも良いでしょう。

また、信頼のおける専門家が見つかったら、任意整理を依頼する際に職場や家族に内緒にしてもらうことをしっかり伝えておく必要があります。

連絡の際は、個人の携帯電話のメールで通知してもらう、郵送は〇〇事務所と記載しない、郵便局留めにしてもらう、など細かいことも伝えておくと安心です。

任意整理で貸金業者の同意が得られたら「和解契約書」を結び、決定した返済額を毎月支払っていきます。

もし、任意整理後に支払いを滞納した場合は「一括返済の請求」や「損害賠償の請求」を求められることがあります。任意整理後は、借金を滞納しないようにしなければいけません。

バレにくい任意整理だが、任意整理後にも注意点あり!周囲にバレないための対策

任意整理後は専門家とのやりとりや滞納をしないことも重要ですが、その他にも注意したいことがあります。

任意整理をすると5年間はクレジットカードを持つことができず信用情報機関に事故情報が登録されます(ブラックリストとも言います)。

もちろん、任意整理前に持っていたクレジットカードも使えなくなり、住宅ローンや車のローンを組みたくても自己名義で新たなクレジットカードを作ることができません。

その際に家族から怪しまれバレてしまう、という心配が出てきます。

しかし、ブラックリスト状態でもクレジットカードと似たデビットカード、プリペイドカード、IDやスマホ決済などを利用することが可能です。

クレジットカードを持たないことを不審に思われても、使い過ぎに気をつけているこを周囲に伝えながら注意を払っていく必要があります。

家族がブラックリストの情報を調べることはできないが、審査落ちで不審がられる可能性はある

任意整理でブラックリストに登録されると家族や家庭に影響が出ないか不安になりますが、基本的に個人の情報だけを確認されるるので、とくに家族に影響することはありません。

また、クレジットカードが作れない状況を家族が怪しんでいる場合、個人のブラックリストの情報を家族が調べることはできません。

信用情報機関は個人情報やクレジットカードの利用履歴、債務整理の事故情報を管理していますが、配偶者や子供など身近な家族でも本人確認書類がないと開示できない仕組みになっています。

債務整理のブラックリスト解除は5~10年で、期間が過ぎれば新たなクレジットカードを作成することができますが、申込資格の条件は「返済能力がある方」が審査通過の対象です。

ブラックリスト期間が過ぎても、滞納があったり他社からの借入が残っている場合は審査に通らないことがあります。

任意整理の手続きを専門家に依頼せずに個人で手続きするとバレやすい?

債務整理は専門家へ依頼すると着手金・報酬金・手数料を支払うことになります。借金で苦しむ傍ら、専門家へ依頼せずに個人で債務整理を行う人もいます。

債務整理の費用設定はとくに報酬規定が無く、事務所が個々の判断で費用を設定しています。

任意整理を例に挙げると、

  • 着手金1社:2~4万円
  • 報酬金:借金減額の5~10%
  • 手数料:2~3千円

の費用相場となっています。

確かに費用は高くなりますが、任意整理は債務者が債権者と直接交渉をしなければいけません。また、手続きには取引履歴の開示請求、元本・利息・返済の交渉など一人で行わなければならず、とくに素人が任意整理を持ちかけても債権者は取り合ってくれないことが多いです。

個人での手続きは、費用を抑えることができますが、必要な書類の作成や債権者との直接交渉など外出もあります。また、電話のやり取りや書類が自宅に郵送されるなど家族にバレる可能性は高くなります。

交渉がまとまらず時間がかかり悪条件での和解、その間に周囲にバレてしまうなどデメリットが多いため費用をかけてでも専門家へ依頼することは時間や手間もなくなり職場や家族にバレることも少なくなります。

債務整理は種類によってバレやすいバレにくいがあります。また、バレにくい任意整理については、個人でするより専門家に依頼して手続きをしてもらうほうが安心です。

必要書類の少なさや財産没収もないので、債務整理の中では一番多い手続きと言えるでしょう。また、弁護士・司法書士に家族や職場に秘密にしてほしい旨を伝えれば、しっかりプライバシーに配慮してくれます。

まずは自分の借金がどれくらい減るのかを確認し、さらに家族や職場にバレないように債務整理をする方法を相談できる「信頼できる弁護士や司法書士」を探すことが重要です。

事業者や法人向けの債務整理の種類

債務整理には「事業者・法人」と「個人」がありますが、事業者・法人の倒産手続きは「法的整理」と「私的整理」に分けられます。

法的整理は裁判所の管理の下で行われ「再建型」の民事再生、特定調停、会社更生と、「清算型」の破産手続き、特別清算があります。

裁判所が関与する法的整理

再建型倒産手続き
借入金の返済期間延長や債務カットをしながら債権者の弁済を行い、会社の再建を目指す方法で、民事再生、特定調停、会社更生の3種類があります。
清算型倒産手続き
清算型倒産手続きは、会社の資産・債務を清算し処分したお金を債権者に分配し会社を消滅させる方法で、破産手続きと特別清算があります。

債権者と協議を行う私的整理

私的整理は、裁判所が関与せず債権者と会社が弁済額や弁済方法の交渉を行い、事業の清算や再建をする手続きです。法的整理は手続きの規定が細かくありますが、私的整理は平成13年に定められた私的整理ガイドラインに沿って手続きを行います。

債務整理の種類や条件を知って計画的な返済方法を!

債務整理には種類があるので、自分にとって最適な方法は、借金額や収入等で変わります。

弁護士や司法書士に債務整理を依頼するメリットは、自分にとって一番ベストな方法で債務整理ができること、自分では難しい交渉事も実績があること、そして完済までの道のりが見える、そして早くなり生活の立て直しができることです。どの手続きが自分に合っているか分からないときは、分かるまでしっかり丁寧に教えてくれるので、まずは弁護士や司法書士に相談できる「借金減額シュミレーター」やメール・電話での相談をしてみることが大切です。

信頼できる専門家が見つかれば、借金問題を根本から解決するための新しいスタートを切ることができます!誰にも相談できず1人で悩むのはもうおしまいにして、相談という一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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