任意整理 2024/03/08
任意整理とは?デメリットやばいの?クレジットカード、家、車、ローンへの影響と任意整理できない条件
債務整理の中でも比較的手軽に実践できる「任意整理」。借金問題に悩んだときに、任意整理をするとどうなるのか?メリットやデメリットが気になるところです。
将来利息をカットしたり、元本のみを3年ほどで分割して返済するといったことで負担を少なくして返済できるように借金減額ができるのは確かに魅力ですが、「任意整理をした後の生活」について、不安に感じたり、普通にできていたことができなくなったらどうしよう…と思ったり、任意整理よりももっと自分の借入に合った方法があるのでは?と考えたりしてしまうようです。
- 任意整理したらどんな影響があるのか?
- 任意整理のデメリットやリスク
- 任意整理をするとクレジットカードはどうなるの?
- 任意整理しなければよかったと後悔しない?
任意整理とはどんな方法で借金減額するのか、任意整理の条件やメリット、任意整理に向いている方の特徴、任意整理のデメリット、そして任意整理をすると、クレジットカードや住宅ローン、車のローンなどがどうなるのかなどの疑問点について詳しく解説していきます。
Contents
- 1 任意整理とは?債務整理の中で多く行われている手続き
- 2 任意整理をすることで、得られるメリット6つ
- 3 任意整理に向いている、任意整理した方がいい人の特徴とは?
- 4 任意整理はメリットだけじゃない!デメリットを事前にしっかり確認を!
- 4.1 ブラックリストに載ってしまう
- 4.2 任意整理したクレジットカードは強制解約…
- 4.3 携帯電話の端末分割購入ができなくなる!
- 4.4 収入がないと利用できない!
- 4.5 減額幅が少ない可能性がある
- 4.6 債権者の合意がないとできない
- 4.7 任意整理は家族にも多大な影響を与えると誤解されがちである
- 4.8 任意整理した後に、過払い金請求は基本的にはできない!専門家に相談が必須
- 4.9 保証人がついている借金の任意整理は多大な迷惑をかけてしまう…
- 4.10 クレジットカードショッピング枠を任意整理すると商品を引き上げられてしまう可能性がある!
- 4.11 受任通知送付後に銀行口座の凍結がされてしまうかも!
- 5 任意整理をすると家や車はどうなる?返済中のローンは?
- 6 任意整理後に新規のローンは組める?注意点は?
- 7 任意整理はしない方がいい?とはどんな理由から検証
- 8 任意整理ができないケース1:任意整理後3年で、完済するのが難しい場合
- 9 任意整理ができないケース2:お金を貸した業者が、任意整理に応じない場合
- 10 任意整理ができないケース3:取引期間が短い、もしくは一度も返済していない場合
- 11 任意整理ができないケース4:依頼先の弁護士事務所や司法書士事務所が関連する場合
- 12 任意整理ができないケース5:そもそも借金の内容が債務整理対象外である場合
- 13 任意整理ができないと言われたときの対処法
- 14 任意整理の相談先の選び方!弁護士と司法書士の違いは?
- 15 弁護士にできて司法書士にできないこと3つ
- 16 任意整理をあえて司法書士に依頼するメリット2つ
- 17 任意整理のデメリットや任意整理後のクレジットカードへの影響を納得した上で検討を!
任意整理とは?債務整理の中で多く行われている手続き
借金問題を解決するために国が認めた救済措置である「債務整理」。あなたの借金も減る可能性があります!
「債務整理」には、以下のような手段があります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
- 特定調停
それぞれが異なる特徴を持っていますが、制限が少なく比較的多く行われている債務整理の手続きが「任意整理」です。
任意整理の特徴と条件
【特徴】
- 裁判所を介さないで、債権者への手続き、交渉ができる
- 将来発生するであろう利息をカットし、元金のみ3〜5年で分割返済
- 整理したい借入先を選んで個別に交渉できる、したくない借入先についてはそのままでOK
【条件やできないケース】
- 残った借金残高を返済していく安定した収入がない
- 借入先によっては和解に応じてくれないところもある
- 保証人がついている借金の場合、保証人へ一括返済を迫られてしまう
- 借入先からすでに差し押さえにあっている
債務整理で、特に任意整理の手続きが選ばれるのには、やはりそれなりの理由があります。
原則として、元金のみを3~5年かけて分割返済していく、そして借入先を選んで交渉できるのが特徴。車のローンや住宅ローンが残っていてそのまま残したいという方には、任意整理が向いています。
しかし、誰でもどんな金融業者でも必ず任意整理ができるという訳ではありません。
返済が引き続き続くため、ある程度の安定した収入が今後も見込める人でないと、任意整理は認められないです。
利息のみのカットで「元本」は残るため、大きく減額できる手続きではないため、メリット・デメリットをしっかりと理解した上でするかどうかを決める方が良いです。
債務整理の中でも、特に任意整理の手続きが選ばれるのには、やはりそれなりの理由があります。任意整理には、その他の借金整理の方法にはないメリットが存在しています。
「任意整理しない方がよい」「任意整理をしても意味ない」と感じないためにも、しっかりとチェックしておきましょう。
任意整理をすることで、得られるメリット6つ
では具体的に、任意整理のメリットとは、いったいどこにあるのでしょうか。6つのポイントを、詳しく解説していきます。
最短即日で平穏な生活を取り戻せる!
借金の返済が難しくなってしまったとき、債務者を悩ませるのが債権者からの督促です。
督促を停止させるための方法の一つは、もちろんきちんと借金を返済すること。
そしてもう一つの方法が、債務整理の手続きをスタートすること。債務整理が完了しなくても、手続きを始めた段階で厳しい取り立てをストップさせることができます。
弁護士や司法書士に任意整理の依頼をした場合、弁護士や司法書士から業者に対して、受任通知が送付されます。
- 受任通知とは…
- 「この借金問題を、弁護士・司法書士が担当すると決定したこと。よって今後の連絡は、本人ではなく代理人を介するように」と伝えるための書類。借金問題を専門家に依頼した場合、最初に行われる通知。
これによりお金を貸す側の業者は、本人に直接取り立てを行うことができなくなります。
任意整理なら、その後の職業が制限されない!
債務整理によっては、その後の生活に一定の制限が設けられてしまいます。
職業制限は、その中の一つ。たとえば自己破産を選択すれば、その後、以下の仕事に就くことは不可能になってしまうのです。
- 弁護士
- 司法書士
- 公認会計士
- 税理士
- 宅地建物取引士
- 信用金庫
- 質屋
- 旅行業務取扱の登録者
- 警備業
※上記は一例。この他にも制限を受ける職種あり。
一定期間過ぎたあとに制限が解かれるケースもありますが、一度は職を離れる必要があり、何事もなくずっと働き続けることは不可能になってしまいます。
自己破産ではなく任意整理を選択すれば、こうした職業上の制限を一切受けることはありません。現在どんな職業に就いていても、不利益を被ることはないのです。
車や家を処分する必要はありません
債務整理を行った場合、自身が所有する財産をすべて処分しなければならないのでは?と思う方も多いのではないでしょうか。
任意整理の場合は、自身が保有する財産の処分をする必要はありません。
- 住宅
- 土地
- 車
これらの財産は、「処分されると困る!」と思う方も多いはずです。任意整理なら、不安を感じる必要はありません。
任意整理では対象とする債権者が選べるところも特徴です。
所有権留保がついている場合は、ローン会社に車などを引き上げられる可能性がありますが、車のローンを対象にせずそれ以外の借金だけを対象の整理にすればOKです。
ローンが残っていない自家用車であれば、何の問題もなくそのまま乗り続けることができます。
返済の負担を軽減し、生活の立て直しがしやすくなる!
借りたお金を返済する際には、実際に自分が借りた「元本」に、業者側の利益となる「金利手数料」をプラスして支払うことになります。
元本が増えれば増えるほど金利負担は重くなり、徐々に返済が厳しくなってしまうという特徴があります。
任意整理は「借金を整理して減らすための手続き」。多くの場合で実際に行われるのは、取引開始時にさかのぼり利息制限法の上限金利(15~20%)で再計算(引き直し計算)された元本を分割払いすることと、将来部分の利息をカットするための交渉です。
- 【将来の利息負担をカットすることで得られるメリット】
-
- 利息カットしない場合と比較して、総返済額が減少する
- 返済すればするほど、残高が減っていくのを実感できる
【特におすすめのタイプ】
- 借金の金額が大きい人
- 毎月返済していても、元本が減らないと感じている人
- 高い金利が設定されている人
将来的に支払う利息分が圧縮されるだけでも、借金返済の見通しは立てやすくなります。
返済期間も3~5年に延長されることで、気持ちにもゆとりが生まれ家計と両立しながら返済を続けることができます。
充分な収入があり、必ず完済するという強い意思も必要です。今後借金に手を出さない、クレジットカードの利用やお金の使い方など改めるなど、返済を続けながら意識改革もできるといいですね。
基本的には専門家にお任せでOK!手間なく返済を楽にできる!
任意整理は、自分で手続きを行うこともできますが、弁護士や司法書士といった専門家にお任せするスタイルが一般的です。
依頼時には、これまでの借金履歴について詳細に相談をする必要がありますが、その後の流れは基本的にお任せでOK。
任意整理は、債務整理の中でも手間なく行える方法として知られています。
複数業者の中、任意整理するかどうかは自分次第!
借金問題で悩んでいる方の中には、一社だけではなく複数社から借入れを行い、それぞれ返済しているケースもあります。
任意整理の場合、これらの業者の中の、「一社のみの借金を整理したい」と思った場合でも対応が可能。
その他のメリットを紹介…
- 家族や職場など周りにバレる可能性が低い
- 過払い金が見つかる可能性がある
- 遅延損害金のカットが望める
- 返済期間を3年、最長5年まで延長できる
また、あらかじめ「家族にバレたくない」と意向を弁護士に伝えることで、書類の郵送や在宅時に電話連絡をしないことを約束し、内密に進めることができます。
任意整理に向いている、任意整理した方がいい人の特徴とは?
これらのメリットを踏まえて、任意整理を積極的に検討したいのは、以下のようなタイプの方々です。
- 利息、手数料部分がなくなれば、借金完済を目指せる人(今だと利息部分しか払えず元本がほとんど減っていない方)
- 借金の金額が、大きすぎない人(約30万円~200万円程度)
- 一定の収入があり、返済計画が実行できること
- 周囲に借金を知られたくない人
- とにかくできるだけ、手間や時間をかけたくない人
- 住宅ローンやカーローンを支払っていて、財産を手放したくない人
- 自己破産の手続き中に受ける職業に就いている人
- 保証人付きの借金があり、保証人に迷惑をかけたくない人
こうした条件に当てはまる方々であれば、任意整理のメリットをより強く実感できることでしょう。
とはいえ詳細な条件については、それぞれの状況によって変わってくるものです。任意整理について検討し始めたら、まずは専門家に相談するのがベストです。
任意整理はメリットだけじゃない!デメリットを事前にしっかり確認を!
数多くのメリットがあり比較的手続きが簡単で、リスクが少なめと言われている任意整理ですが、少なからずデメリットも存在します。
もっともよく知られているのが、ブラックリストに載ってしまう…ということです。(ブラックリストなるものは実際には存在しません…信用情報機関への事故情報が登録されるということです)
その後の一定期間、ローンを組んだりクレジットカードを組んだりすることが難しくなってしまいます。
- 一定期間ブラックリストへ登録され、色々な弊害が出る(詳細は後述)
- 借金がチャラになるわけではなく、支払い義務は続く
- 基本は利息カットのため、借金を大幅に減額できない
- 全ての業者が必ずしも交渉に応じてくれるわけではない
- 今後同じ会社からは借金できなくなる
- 賃貸契約時は、保証会社に入っていない物件を選ぶ
あまり借金を減らせない中で、約5年間ブラック扱いになってしまうところが気になるところ。
そういった点から、家族に知られずに任意整理をする人も多くいます。
- 住宅ローンを利用して、マイホームが欲しい
- ローンを組んで大きな額の買い物をしたい
- スマホを分割払いで買いたい
- 車をローンで買いたい
などの予定が近い将来発生する可能性がある方は、任意整理をすると一定期間できなくなることを踏まえておく必要があります。
でも結局、今の借金が払えず滞納してしまう期間が続くと、「ブラック扱い」となります。素人目で判断せず、専門家にしっかりと相談した上で手続きするかを決定することをおすすめします。
任意整理のデメリットについてより詳しく見ていきましょう。ブラックリストに載ってしまう
もっともよく知られているのが、ブラックリストへの登録。(ブラックリストなるものは実際には存在しません…信用情報機関への事故情報が登録されるということです)
下記3つの信用情報機関への掲載となります。
任意整理 | 個人再生 | 自己破産 | |
株式会社日本信用情報機構 (JICC) | 5年 | 5年 | 5年 |
全国銀行個人信用情報センター (KSC) | 5年 | 10年 | 10年 |
株式会社シー・アイ・シー (CIC) | 掲載なし※ | 掲載なし | 5年 |
※ただし代位弁済が行われた場合、返済状況「異動」となる期間が5年
任意整理の場合、返済完了から5年間は消すことができません。登録中は新たな借入や融資を受けること、ローンを組んだりクレジットカードを組んだりすることがとても難しくなってしまいます。
なぜなら、あなたが新たにローンを申し込もうとした時、ローンを組む金融機関はこれらの信用情報を確認するからです。事故情報が載っているため、審査に通る可能性は限りなく低くなってしまいます。
しかしながら、このデメリットを考慮しつつもやはり、返済できない借金をずっと抱えて借金地獄に陥るよりは、これ以上は借金をしない!という考えのもと、任意整理をして平穏な生活を取り戻していくことの方が重要だと考えます。
任意整理したクレジットカードは強制解約…
任意整理は、クレジットカードの使用による借金も対象となります。ショッピングやキャッシングで借金が膨らんでしまった場合の、強い味方となってくれることでしょう。 しかし任意整理を行ったクレジットカードは、その時点で強制的に解約させられ、利用を続けることはできません。任意整理を含む債務整理を行った場合、クレジットカードは強制解約となります。ローンと同じように、申込時に信用情報を照会されるため、登録中の5年間はクレジットカードの新規発行ももちろんできません。
クレジットカードに付帯しているサービス(ポイント、マイレージ、特典など)も全て解約となってしまいます。高還元率クレジットカードなどで、ポイントが貯まっている場合、任意整理をする前にポイントを使ってしまえば問題ありません。
クレジットカードの強制的な解約は大きなデメリットです。支払いのほとんどをクレジットカードでまかなっていた場合、使えなくなるとさまざまな弊害を招きます。
しかし、クレジットカードが使えないなら任意整理を諦めて、そのまま借金生活を続けていたらもっと返済が大変になります。
結局クレジットカードは使えなくなり、個人再生、自己破産になっては更にデメリットも大きくクレジットカードは作りづらくなってしまいます。
任意整理を対象としないクレジットカードを複数枚持っている方もいらっしゃいますよね。任意整理では、整理する債権を1つ1つ選べるため、クレジットカード会社を整理対象外とした場合は、手元にカードを残すという方法をとることもできます。
この場合、カードは即解約とはならず、任意整理後一定の期間は使用できる可能性がありますが、いずれ任意整理をしていないカードも使えなくなります。
クレジットカード会社の審査は、契約時にのみ行われるわけでは無いからです。再審査では事故情報を照会します。事故情報が確認されると更新はできません。ブラックリスト入りが確認されると、他のカード会社も使えなくなり残すことはできなくなります。
遅延や返済困難などリスクマネジメントとして定期的にチェックしています。実は私達の知らない間にも途上与信は行われているのです。
カードの更新時以外でも、信用情報機関では途上与信を行い利用状況や返済の滞納がないかチェックしています。ですから、任意整理を行うと対象外のカードも信用情報をチェックされ更新ができなくなります。
【クレジットが使えないと困る!任意整理しても使う方法3つ】クレジットカードと同じような感覚で使用できるカードに、デビットカードがあります。デビットカードの特徴は以下のとおりです。
- 手元に現金がなくても、決済が可能
- 使ったその場で、口座からお金が引き落とされる
(※口座にお金がなければ、使用不可能) - クレジットカードと違って、お金を借りるステップがない
クレジットカードと見た目はほとんど変わらないデビットカードですが、その仕組みは大きく異なっています。
「お金はなければ使えないもの」というごく当たり前の感覚を身につけるためにも、デビットカードの利用は極めて有効です。
任意整理によるブラックリストへの掲載は、あくまでも自分自身の問題なので、家族までブラックリストに載ることはありません。
自分の名義のクレジットカードは使えなくなりますが、家族カードなら問題なく使えます。家族名義でカードを作り、家族カードを発行してもらうとよいでしょう。
- 生活スタイルを変えなくても良い
- クレジットカードのポイントや特典も活用できる
【デメリット】
- 再度、借金トラブルにつながる可能性がある
- 家族と共に、強い意志で生活改変を行う必要がある
メリット・デメリットを踏まえた上で、慎重に決定しましょう。
クレジットカードが使用できない場合に困るのが、ETCカードの利用についてです。このような場合におすすめなのが、ETCパーソナルカードです。
- クレジット契約を必要としない
(任意整理後も利用可能) - 有料道路の通行料金の支払いのみができる
【ETCパーソナルカードのデメリット】
- 年会費(1枚当たり税込み1,257円/年)がかかる
- 平均利用月額に応じたデポジットが必要
クレジットカード付帯のETCカードと比較すると面倒な点も多いのですが、「ETCだけを使いたい」のであれば、こちらのカードで十分。余計なリスクも減らせます。
なので、任意整理をするとクレジットカードのことが心配で…という理由から、任意整理をしようかどうしようかと悩んでいる場合も、同じ様な生活が送れる方法はあるので、まずは目の前の借金悩みを根本から解決することを優先で考えてみませんか?
その他の代替案としてリペイドカードを利用するという方法もあります。
プリペイドカードは、現金チャージで前払い制ですので、使い過ぎる心配はありません。上手く活用して乗り切りましょう。
携帯電話の端末分割購入ができなくなる!
任意整理でブラックリストに登録されると、携帯電話の端末分割購入ができなくなります。一括購入するしか方法がなくなりますから、注意してください。
端末の分割購入ができない理由は、契約申し込み時に信用情報をチェックされるため。ブラックリスト入りがわかれば、当然「高リスクな人」と判断され、審査に通りにくくなってしまいます。
収入がないと利用できない!
利息をカットしてもらえるため返済が楽になる任意整理ですが、元本部分を分割して返済しなければならいため、安定した収入がない場合はそもそも利用することができません。
減額幅が少ない可能性がある
個人再生や自己破産よりも減額できる金額が大きくない点も注意です。
もちろん、任意整理する前よりは利息分カットと分割払いでかなり楽になると思いますが、借金の額がそもそも大きい人は、まだまだ返済金額が高額という場合も。
そういった場合は、自己破産や個人再生も選択肢に入れておく方が良いかもしれません。
債権者の合意がないとできない
利息はなしにしても元本は返して欲しい、返済期間を延ばしても、全額払って欲しいという思いから、任意整理に応じてくれる債権者が多い一方、任意整理は個人再生や自己破産のような強制力がないため、一部の貸金業者は任意整理にすんなり応じてくれない可能性があります。
債権者が任意整理に応じてくれる相手なのか確認が必要!さらに、こちらの希望条件が全て通るとは限らないという部分も要注意です。
任意整理は家族にも多大な影響を与えると誤解されがちである
債務整理の一種である任意整理。家族への影響が気になるところですが、影響を受けるのは、あくまでも本人のみです。家族であっても、直接的に影響を受けるようなことはありません。
- 債務整理の事実が戸籍や住民票に登録される
- 進学や就職に影響が出る
- 家族もブラックリストに登録される
などといった問題は生じませんから、安心してください。
ただし、家族が保証人になっているケースは別です。任意整理をはじめ、債務整理をした場合、保証人のもとに借金を返済するようお知らせがやってくる可能性があります。
任意整理した後に、過払い金請求は基本的にはできない!専門家に相談が必須
任意整理の依頼を受けた司法書士や弁護士は、取引履歴を業者から取り寄せ、本来取られるはずだった利息制限法にのっとった利息で、計算をし直す「引き直し計算」を行います。
- 【引き直し計算後も借金が残る場合】
- 今まで払っていた利息分が免除されて、一般的には、新たに返済計画を組み直します。「総額◯円を、月々△円で返済していく」といった内容で書面を取り交わします。
- 【引き直し計算後、過払い金が発生していた場合】
- 「総額◯円を、△月□日に返金します」といった内容で書面を取り交わします。
どちらの場合も、取り交わす書面に「債権債務なし」という文言が入ることが基本です。
- 「債権債務なし」とは?
- 業者とお客様間で、「借金」以外に権利義務関係がないことを認めるというもの。これを結んでしまうと、過払い金請求がその後できない場合が多い。
なら、業者に頼まず自分で任意整理した場合は?と思う方もいらっしゃるでしょう。その場合、自身で業者と掛け合い、月額の返済額を減らしてもらったり、利率を下げてもらったりという「条件変更」をしていることもあります。
そんな時にも、「債権債務なし」という文言入りの書面の取り交わしがされていることが多いです。
そんなときには、「裁判」で正当な権利行使を行っていくことになります。
任意整理をした後だから、もう「過払い金請求」は無理…と自分で判断してすぐに諦めるのではなく、一度、法律の専門家である弁護士や司法書士に相談してみることをおすすめします。
保証人がついている借金の任意整理は多大な迷惑をかけてしまう…
保証人がついた借金を「任意整理」した場合、保証人が一括返済を迫られてしまいます。借り主である債務者が、「期限の利益を損失」するためです。
返済の期日までは返済しなくても良い、支払いを待ってもらえるという利益のこと。そして、「期限の利益損失」とは、その利益(期日までに支払えば待ってもらえる)を失うこと、つまり将来支払えば良かったものを、今すぐに返済しなければならくなるということです。
任意整理は整理する債権者をこちらで選べる手続きなので、可能な限りは保証人がついていたり、不動産などを担保にしている借金は別に残し、それ以外の借金に対してのみ交渉することが望ましいです。
- 保証人を必要としない借り入れ:カードローン、キャッシング、クレジットカードの返済など
- 保証人が必要な借金:住宅ローン、車のローン、奨学金など
しかし、どうしても保証人がついている借金を任意整理しないと…という窮地の場合もあると思います。
そんな時は、保証人と連名で任意整理を行うことで、期限の利益損失による一括返済を避けることは可能なのですが、保証人もブラックリストに載ってしまうというリスクがあります。一括返済は免れても、結局は保証人に迷惑がかかってしまうのです。
それでも、任意整理をどうしてもしたいというのであれば、誠意を持って事情を説明し、ブラック扱いになるなどのデメリットを保証人にしっかりと理解してもらい納得してもらっった上で必ず手続きを進めましょう。
自分も保証人も「こんなはずじゃなかった…」とならないためには、専門家に相談し、最善をつくすことが賢明です。
クレジットカードショッピング枠を任意整理すると商品を引き上げられてしまう可能性がある!
クレジットカードにはキャッシングとショッピング機能があります。どちらか一方だけ任意整理をすることはできません。
高額な商品の場合は、クレジットカード会社が商品を引き上げ返済に当てることもあります。「完済が済むまでは商品の所有権はカード会社にある」ということです。
ブランド品や高級時計など購入時、契約書に分割支払いのサインをしていると引き上げの可能性もあります。
受任通知送付後に銀行口座の凍結がされてしまうかも!
流れは大体こんな感じです。- 信用情報機関に事故情報が登録される
- 催促や取り立て止まる
- 保証人がいれば請求の可能性がある
- クレジットカードが解約、引き落としができなくなる
- 銀行口座が凍結される
弁護士から業者へ受任通知が送られると、「しつこい取り立てや催促がストップされる!」弁護士に依頼するメリットとして挙げられていますね。
また、保証人がいれば請求の可能性も出ていきます。
クレジットカードを対象に任意整理するとクレジットカードは使えなくなります。クレジットカード支払いの引き落としができなくなるので、銀行口座引き落としやコンビニ支払いに変更しないといけません。
銀行カードローンを任意整理すると銀行口座は凍結されます。引き出しができなくなる前に、お金は全て引き出しておきましょう。給料の振り込み先に指定している場合も変更しておきましょう。
任意整理をすると家や車はどうなる?返済中のローンは?
住宅ローンや自動車ローン、教育ローンなど、様々なローンを組んでいたり、任意整理後に組みたいと思うこともあると思います。
任意整理は整理する借金が選べるので、住宅ローンや車のローンなどの債務を整理対象としなければ、返済は続き、住宅や車などを手放す必要はありません。
住宅ローンを組んでいる業者を、手続きから外すと任意整理から除外されます。マイホームを手放すことなく、そのまま住宅ローンの返済ができます。
注意しておくべきこと
任意整理は、全ての債権について手続きする必要はなく、整理する債権を選択できる債務整理の方法です。
ただしここで1点注意が必要なことがあります。任意整理は会社毎の手続きとなるため、「カードローンと車や住宅のローンが同じ会社である場合」は、カードローンのみ任意整理をするということは基本できません。(過去に交渉して除外してもらったケースも有るようですが…)
残したいローンがある場合は、その会社のローンを全て任意整理の対象から除外する必要があります。
担保になっている場合は引き上げの可能性も…
住宅ローン、自動車ローン返済中に住宅や車が担保になっている場合は、所有権は債権者になり、引き上げられる可能性があります。
担保になっている場合は、没収されないために任意整理の対象から外すことを忘れずに。
ブラック入りしていても賃貸契約できる?引越しはできる?
任意整理後でも引越しはできます。賃貸契約時は入居審査がありますが、ブラック入りしていると入居審査に通らないことも…。
賃貸契約時、不動産会社では信用情報を調べたりしません。ブラック入りしていることも知られることはありません。ですが、保証会社に入っている物件を選べば入居審査時、信用情報をチェックされることがあります。
- 家賃保証会社とは…
- 賃貸契約の際、連帯保証人を代理してくれる会社です。もし、家賃が支払えなくなると立て替えてくれます。
契約時に信用情報をチェックする可能性があります。ブラック入りしている間は、家賃保証会社を利用していない物件を選べば問題なく契約できます。
任意整理後に新規のローンは組める?注意点は?
クレジットカードと同様です。任意整理後に新たにローンを申し込むには注意が必要です。
ローンに申し込むと、金融機関はローンに関する情報を信用情報機関に照会します。その時に、あなたの事故情報の登録が発覚するためです。
一定期間が過ぎた段階で、事故情報が消えていることを確認してからローンの申込みをするようにしてください。
任意整理はしない方がいい?とはどんな理由から検証
任意整理のメリットやデメリットをお伝えしてきましたが、ネット上では「任意整理、しなければ良かった」「意味がなかった…」など口コミや意見も寄せられています。
それはどうして、詳しく調べてみました!
- 元金は返済義務がある
- ブラックリスト入り
- クレジットカードが使えない
- 任意整理の手続き費用がかかる
- 債権者が交渉に応じない場合もある(減額が叶わない)
- 口座が凍結する可能性がある
- スマホ本体を分割で購入できない
元金は返済を続け完済しなければならない
任意整理は、元金の減額はできません。任意整理は、利息分の減額で元金の完済を目指す方法です。個人再生や自己破産のように、元金を含めた多きな減額を期待している方には向いていません。
ブラック入りとクレジットカード利用の関係
先述通り、ブラックリスト入りすると、5年間クレジットカードの利用やローンの契約など信用情報に関わることはできません。
住宅ローンや自動車ローン、教育ローンの契約ができないので、後々「任意整理をしなければ良かった」とならいよう気をつけましょう。
任意整理の時期をずらす、配偶者が教育ローンを組むなど工夫が必要です。
手続きはしやすいけれど…費用はかかる、減額が叶わないことも
任意整理は、比較的費用が低料金と言われていますが、相場5~10万円程度お金がかかります。
任意整理の費用の負担が心配な場合は、任意整理に特化した法律事務所を選んでみてはどうでしょうか。
- 無料相談
- 着手金無料
- 弁護士費用の分割・後払い
債務者に寄り添った料金サービスを展開している法律事務所も多くあります。任意整理を専門家に依頼するメリットとして覚えておくと良いでしょう。
また、債権者が交渉に応じず希望の減額ができないこともあります。低金利の奨学金や住宅ローンは、任意整理してもほとんど減額できず、「意味がない」と言われています。思うような減額ができなくても、デメリットを背負うことになります。
任意整理を対象にした銀行口座は、凍結されることもある
「どうして口座が凍結される可能性があるの?」それは債務者が、任意整理をすると借金を返済できないことから、銀行側は少しでも債務者からお金を回収しようとするためです。
銀行ローンを対象に任意整理をした場合、その銀行の口座が凍結される可能性があり、1つの銀行に対して複数口座を持っている場合も同じく凍結されます。
消費者金融を対象に任意整理をした場合、その消費者金融と同一グループの銀行口座が凍結される可能性があります。
任意整理をするには、口座凍結のデメリットも知っておかないと後々生活面で大変なこともあります。事前に対処法を知っておきましょう。
- 預金を引き出す
- 口座振替の変更
- 給料など振込口座の変更
口座が凍結されてしまう可能性を加味し、その前に預金は全て引き出しておきましょう。
口座振替やクレジットカードの引き落としもできなくなります。家賃や光熱費など引き落とし先を事前に変更しておけば、滞納の心配がいりません。もしくは、請求書払いや他の銀行口座に変更しましょう。
給料や年金など振込みもできなくなります。別の銀行口座を開設し、振り込み先の変更をしましょう。
スマートフォンや携帯電話の機種代を分割購入できない
任意整理のデメリットとしてもあげられていますが、スマホの分割購入ができなくて不便との声が多く上がっています。任意整理をしてもスマホや携帯電話は使えますが、購入する場合は一括で現金での購入になります。
ですが、スマホを現金で一括購入するのは難しい場合もありますよね。
対処方法として…
- 家族名義で購入する
- 中古のスマホ端末を購入する
中古のスマホだと現金一括購入でもハードルが高くありません。最新機種は購入できませんが、検討してみてはどうでしょうか。
任意整理ができないケース1:任意整理後3年で、完済するのが難しい場合
任意整理とは、お金を貸した会社側との話し合いで、将来的に発生する利息分をカットし、数年にわたって完済を目指すための方法です。
任意整理においては、原則として3年、最長でも5年を限度に元本分の返済を行っていくことになります。
この期間に返済できる目途が立たない場合、任意整理はできません。
- 収入に対して、借金の金額が多すぎる
- 債務者に安定した収入がない
こうした条件に当てはまる方は、任意整理ができない可能性が高いです。
収入に関する条件を細かく説明すると…
- 会社員
- 契約社員
- パート
- アルバイト
- 個人事業主
- 専業主婦(主夫)
毎月収入が安定していれば手続きできる可能性はあります。また、しっかり働き「絶対完済する」など強い意思も必要になります。
また、年金受給者でも任意整理の手続きは可能です。その場合、返済分と生活費の分を上手く配分できないといけません。
高齢という理由で、返済年数を短く設定する債権者もあります。返済年数が短ければ、毎月の負担が重くなるリスクも心配されます。
借金を相続…任意整理はできる?
親が亡くなり遺産を相続した場合、プラスの財産の他に、マイナスの財産があれば借金なども相続することもあり得ます。
子供が相続人になれば、借金の返済義務は子供に移ります。返済の遅れや滞納があれば、債権者から催促を受けることもあります。
ですが、相続した遺産がマイナスの遺産の方が多い場合は、「相続の放棄」など別の方法もあります。
任意整理ができないケース2:お金を貸した業者が、任意整理に応じない場合
任意整理では、お金を貸した側が交渉に応じないことで、不可能になってしまうケースも少なくありません。
- 任意整理の話し合いはあくまでも任意。応じなくても罰則はない。
- 任意整理しなくても、訴訟を起こせば満額回収を目指せる。
このような事情により、あえて任意整理に応じない業者も存在するのが現実です。このあたりは、任意整理の限界と言っても良いでしょう。
消費者金融側も、債務者に安定した収入がなく、5年で完済の見込みがない場合は、和解交渉に応じない可能性があります。
また最近は、以下のように和解条件が難しい消費者金融もあります。
- 返済期間5年の延長に応じない
- 取引期間が短いと将来利息のカットせず減額のみ
原則3年での返済にしか応じない消費者金融もあります。要するに3年で完済できるほどの安定した収入がないと、任意整理に応じてもらえないことになります。
任意整理=ゆっくり返済とイメージですが、条件の厳しい消費者金融もあると覚えておきましょう。
個人で手続きをしようとすると、難しいケースも
任意整理には、個人で手続きを進めていく方法もあります。
しかし現実には、相手が個人である場合、専門家とは違った対応を見せる業者も少なくありません。法律の知識がなければ、有利な条件で話をまとめるのはまず不可能でしょう。
個人で任意整理を検討する場合、裁判所に間に入ってもらう特定調停もあります。こちらについても検討してみてはいかがでしょうか。
任意整理ができないケース3:取引期間が短い、もしくは一度も返済していない場合
各種ローン会社は、お金を貸し付け、そして元本に利息をプラスして返済してもらうことで、儲けを得ています。
任意整理で利息カットに応じれば、業者側にとっては「儲けが期待できない」ということ。任意での話し合いに応じない業者も多いです。
- ローン契約からそれほど時間が経過していない(支払った利息が少ない)
- 返済スタートから、ほとんどお金を入れていない(そもそも返済の意志がない)
任意整理ができないケース4:依頼先の弁護士事務所や司法書士事務所が関連する場合
弁護士や司法書士など、法律の専門家を味方にして手続きを取れるのが任意整理のメリットですが、実はこの事務所選びが問題となり、任意整理ができないケースが存在しています。
ローン会社の中には、会社の方針として「特定の弁護士事務所・司法書士事務所からの任意整理には応じない」としているところがあります。
依頼先が該当していれば、残念ながら任意整理は不可能となるでしょう。
「この事務所とは和解をしてもメリットがない」と業者側が判断すれば、債務者側にとっても厳しい結果になってしまうでしょう。
任意整理に強い弁護士など専門家を探す
任意整理をする上で、専門家選びは重要です。
- 任意整理の実績が多くあるか?(債権者との交渉の経験が豊富だと安心)
- 依頼すれば取り立てが止まるか?
- 無料相談はあるか?
- 費用の分割や後払いなど、費用面で安心できるか?
全国展開している大手法律事務所は、地方に住んでいても充実したサービスを受けられます。
任意整理を依頼するなら、着手金が無料の法律事務所を選べば費用を抑えられます。また、口コミもチェックして自身に合った法律事務所を見つけましょう。
任意整理ができないケース5:そもそも借金の内容が債務整理対象外である場合
お金を貸す業者にもさまざまな種類が存在していますが、お金に困った際には、つい闇金に手を出してしまう方も少なくありません。
高金利で貸し付ける闇金を利用すれば、すぐに借金の総額が膨れ上がり、返済が難しくなってしまうことが予測されます。
「任意整理できたら…」と思いがちですが、残念ながら闇金業者で作った借金は、債務整理の対象外。そもそも違法な状況で貸し付けられたお金に、返済する義務はないのですね。
この場合には、任意整理ではなくそのほかの方法について、闇金問題に強い専門家に相談してみると良いでしょう。
- 税金
- 光熱費
公共的な支払いについても、債務整理の対象外です。この先どう支払っていくのか、役場や契約先の担当者と相談し、然るべき対処を行ってください。
任意整理ができないと言われたときの対処法
さまざまな事情により「任意整理できない」と言われてしまったら…いったいどうするべきかと途方に暮れてしまうもの。
任意整理ができないと言われたときでも、すぐに借金問題を諦める必要はありません。3つの対処法を紹介します。
相談先の弁護士事務所・司法書士事務所を変えてみる
任意整理は、弁護士・司法書士の力量によって、結果に差が出ることでも知られています。
つまり特定の事務所で「できない」と言われたからといって、他事務所でも同じとは限らないということ。とりあえず、また別の事務所で相談してみても損はありません。
- 事務所によって判断基準が異なるポイントが原因である
(過去の取引期間など) - 弁護士事務所・司法書士事務所に原因がある
債務整理ができない原因がこれらであれば、事務所を変えるだけで問題解決です。「別の事務所で断られた」点も踏まえて、別事務所に相談しましょう。
自己破産を検討してみる
借金の金額や現在の収入状況に問題があり、どうあっても任意整理が不可能な場合は、自己破産も視野に入れて検討しましょう。
自己破産とは、
- 裁判所を通した債務性の手続き
- 借金の返済がなくなる
- 一定金額以上の財産はお金に換えて、債権者への支払いに充てる
こうした特徴を持った制度です。
メリット・デメリットを把握した上で、検討しましょう。
個人民事再生を検討してみる
自己破産はちょっと…という方には、個人民事再生という方法もあります。
- 財産を保有したまま借金の減額ができる
- 原則3年で完済する
- 自己破産とは違い、借金がなくなるわけではない
- 家や車を維持できるため、借金整理後の影響が少ない
こうした特徴を持つのは、個人民事再生です。
自己破産と個人民事再生のどちらを選択するべきなのかは、現在の借金の状況や今後の返済予測、そして保有している財産の状況などによっても変わってきます。
自分自身にとってベストな選択をするためには、やはり借金問題に強い弁護士などに相談するのがおすすめです。
任意整理ができない原因は、多岐にわたります。まずはその原因を知ることが、借金問題を解決するためのポイントとなるでしょう。
また任意整理が不可能だからといって、借金問題の解決ができなくなるわけではありません。
自己破産や個人民事再生を含めて、自分にとってより良い債務整理の方法を見つけることが大切です。無料の減額診断や専門家の手も積極的に借りてみましょう。
任意整理の相談先の選び方!弁護士と司法書士の違いは?
任意整理では、弁護士や司法書士など、専門家に依頼をして手続きを進めていくスタイルが一般的です。
依頼先を決める上で、「弁護士と司法書士のどちらに頼めば良いのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。
任意整理を依頼する際の、弁護士と司法書士の違いについて解説します。
弁護士と司法書士は、共に法律に関する専門家であり、任意整理の手続きの申立てを行うことができます。
- 弁護士とは…
- 弁護士とは、事件の当事者や関係人の「代理人」として、法律上のさまざまな手続きを行うための資格を有している人。借金問題以外でも、代理人としての仕事をすることが可能。
- 司法書士とは…
- 司法書士とは、登記・供託業務を行う「書類作成代理人」のこと。法律に関するさまざまな事柄のうち、書類作成のみを担う。
※平成28年6月に最高裁判所が下した判決により、一定の条件をクリアした任意整理案件については、司法書士が代理人としての役割も担うことが可能。
どちらに依頼をしても、「代理人」としてのサポートをしてもらうことができます。
司法書士の中で、任意整理が可能なのは「認定司法書士」
司法書士の資格を有する人の中で、任意整理の依頼を受任することができるのは、認定司法書士のみです。
「司法書士なら、誰でも任意整理ができる」というわけではないので注意してください。
- 認定司法書士とは…
- 法務省が課す司法書士試験に合格し、司法書士資格を有した後に、さらに法務省で一定の研修や試験を受け、法務大臣による認定を受けた人のこと。簡易訴訟代理等関係業務を受任することができる。
現在、ほとんどの司法書士が認定司法書士になってはいますが、依頼時にはしっかりと確認するようにしましょう。
弁護士にできて司法書士にできないこと3つ
任意整理の際に、弁護士に依頼するのか司法書士に依頼するのかで悩んだときには、両者の違いに注目するのがおすすめです。
弁護士には対応可能で、司法書士には対応不可能なケースを3つ紹介します。
個別の借金額が140万円より上の場合の対応
司法書士が扱える任意整理案件は、「一件当たり140万円以下の任意整理のみ」と明確に定められています。
もしも整理したい借金の金額が「140万円よりも多い」のであれば、最初から弁護士を頼るのがおすすめです。
この「140万円」という数字は、あくまでも1件当たりのもので、合計額ではないので注意してください。
借入れ先と金額 | 司法書士対応 | 弁護士対応 | |
---|---|---|---|
1 | A社借入額130万円 | ○ | ○ |
2 | A社借入額150万円 | × | ○ |
3 | A社100万円 B社60万円 合計借入額160万円 |
○ | ○ |
4 | A社150万円 B社10万円 合計借入額160万円 |
× | ○ |
3のケースと4のケースでは、合計借入額は同じですが、「A社の金額が140万円を超えているかどうか」で対応が変わります。
依頼先で悩んだときには、まずは整理予定の金額について把握してみてください。
自己破産・個人再生を選択する場合の対応
債務整理は、任意整理だけが唯一の方法というわけではありません。借金や返済の状況によっては、任意整理ではなく自己破産や個人再生を選択した方が良いことも考えられます。
司法書士であっても、自己破産や個人再生の書類作成を代行することはできますが、代理人として動けるわけではありません。サポートできる範囲が限られてしまうのです。
控訴審や上告審への対応
任意整理中には、相手方から裁判を起こされてしまうことがあります。
司法書士は簡易裁判所の第1審事件のみ、代理人としての務めを果たすことができますが、控訴審・上告審となれば対応が不可能になってしまいます。
任意整理をあえて司法書士に依頼するメリット2つ
どんな状況にも対応できるのが弁護士の魅力。
しかし「140万円以下」という条件を満たしている場合、あえて司法書士に依頼をするメリットも存在しています。
以下の2つのポイントを参考にしてみてください。
依頼費用を抑えられる可能性がある
一般的に、弁護士事務所に任意整理を依頼した場合よりも、司法書士事務所に依頼した場合の方が、費用の削減につながりやすいと言われています。
- 借金の金額が大きい
- 高い利率で契約している
- 任意整理をする件数が多い
これらの条件に当てはまる場合、専門家に支払う費用も馬鹿になりません。
専門家に依頼するためのコストは、任意整理のデメリットの一つ。できるだけ抑えたいと思う場合には、司法書士への依頼を検討してみてください。
最近は、任意整理に限り費用をできるだけ安くする弁護士事務所も多くなってきています。
依頼先選択肢の幅が広がる
弁護士事務所だけではなく、司法書士事務所までをも相談先の候補に加えることで、任意整理依頼先の選択肢を広げることができます。
- 安心してお任せできること
- 手軽に相談できること
- きちんと信頼関係が結べること
弁護士事務所に依頼する場合でも司法書士事務所に依頼する場合でも、これらの項目は欠かせないチェックポイントです。
司法書士も依頼先の対象とすることで、自分と相性が良い専門家を見つけやすくなるでしょう。こちらも非常に大きなメリットと言えます。
弁護士事務所や司法書士事務所、どちらに依頼をするべきか悩んだときには、ぜひ無料相談を活用してみてください。
弁護士事務所と司法書士事務所、両方の無料相談を活用すれば、どこに依頼した場合にどのようなメリットが生まれるのか、把握しやすくなるはずです。
それぞれで必要な費用についても、ぜひ無料相談の段階で出来る限りクリアにしておきましょう。その後の不安軽減につながるはずです。
任意整理のデメリットや任意整理後のクレジットカードへの影響を納得した上で検討を!
借金で困っていてどうにかしたいけど、なかなか踏み出せないのが債務整理。よく分からないので、あまり積極的に検討していない方も多いのではないでしょうか。
その中でも、比較的デメリットが少なく費用も安め、期間も短めにできると言われているのが任意整理です。任意整理の特徴にしっかりと目を向けてみれば、メリットが多々あることもわかるはずです。将来利息のカットや分割返済はやはり魅力でしょう。
任意整理にも条件があるため、任意整理できない…という方もいると思います。でもすぐに諦めずに必ず専門家に相談をしましょう。
また、任意整理を行った場合、完済後数年間はカードを利用できない状況になります。また新たなクレジットカードやローンに申し込むことも、一定期間できません。(することはできますが、審査に通りません)
家族カードを利用する方法も提示はしましたが、これを機に、クレジットカードに頼らない生活を意識することをおすすめします!
デビットカードやETCパーソナルカード、事前に必要額をチャージして使うキャッシュレス決済であれば、任意整理後であっても問題なく使えます。
任意整理で借金を整理した後の生活の立て直しのために、クレジットカードと自分との関わりについてよく考えて、新規申し込みには慎重になるようにしてくださいね!
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