過払い金請求
2023/04/27
過払い金請求は住宅ローンに影響する?請求後の注意点と借入タイミング

ローンやキャッシングで、長年払いすぎたお金は利息制限法によって過払い金請求ができるようになりました。
しかし、過払い金請求をしたくても支払い中の住宅ローンや、将来住宅ローンを組むときに影響があるのではないか、と心配する人もいます。
この記事では、過払い金の仕組みや住宅ローンに関わる影響、将来住宅ローンを組む際の過払い金請求についての注意点をまとめました。
Contents
過払い金請求の仕組みと住宅ローンについての影響
過払い金請求は、キャッシングで払いすぎた利息を返還する手続きですが、借金をしたすべての人が請求できるわけではありません。
過払い金が発生するには3つの条件を満たす必要があります。
- 借金が完済してから10年以内
- 2008年以前の借金
- キャッシング利用で高金利の利息を支払った
過払い金請求の仕組みをいま一度、確認しておきましょう。
借金完済から10年経過すると過払い金請求ができない
過払い金請求の時効が切れてないか心配することもありますが、過払い金請求ができるのは、借金を完済した日から10年経過していないことです。
過払い金請求には「不当利益返還請求」という法で定められており、高金利の貸付を行っていた業者に対して、不当利得の返還義務が発生します。
不当利得返還請求は10年経過すると消滅し、業者が倒産してしまった場合も過払い金請求が難しくなります。
利用制限法で定められた利率より低い金利では請求できない
2008年以前までは、多くの金融機関が利用制限法で定められた上限金利の20%以上で取引をしていました。
そのため、2008年以降に消費者金融やクレジットカードのキャッシング利用では、適正金利であることが多いため過払い金請求ができない可能性があります。
過払い金請求は、利息制限法の上限金利によって変わります。
【利息制限法の上限金利】
借入額 | 金利 |
---|---|
10万円未満 | 上限金利20% |
10万円以上100万円未満 | 上限金利18% |
100万円以上 | 上限金利15% |
上記の借入額によって、上限金利を超える支払いを行っていれば過払い金が発生していることになります。
住宅ローンや車のローンでは過払い金請求ができない
住宅や車のローンも、金融機関からお金を借りるという意味では同じことなので過払い金請求の対象と考えて良いでしょう。
しかし、過払い金請求とは利息制限法の上限金利より高い金利に対して行うもので、
住宅や車のローンでは金利が低くく、過払い金請求の条件を満たしていない場合があります。
住宅ローンの金利は固定金利か変動金利で変わってきますが、だいたい0.4~1%が相場で、高金利としても1%程なので過払い金請求は対象外になります。
住宅ローン支払い中に過払い金請求をしても影響はない
現在、住宅ローンの支払いをしている中で過払い金請求をしてもとくに影響はありません。
過払い金請求をしたことで、住宅ローンの一括返済や契約を見直されたりすることもありません。
また、借金返済中でも過払い金請求をすることができるので、過払い金請求によって戻ってきたお金で住宅ローンや借金の返済に充てられるメリットもあります。
先述のように過払い金返還請求には10年の時効があります。ですから、住宅ローン支払い中の過払い金請求は「時効」を過ぎていないことを確認しましょう。過払い金があっても1日でも過ぎてしまえば、手続きができなくなるので気をつけてください。
過払い金請求後も住宅ローンを組める
過払い金請求をした後も住宅ローンを組むことができます。但し、債務整理をした後は一定期間ブラックリストに登録されるので、住宅ローンを組むことが難しくなります。
また、過払い金請求をするとブラックリストに載るのでは?と思っている人もいますが、過払い金請求でブラックリストに載ることはありません。
しかし、過去に過払い金請求をした金融機関や提携機関からは新たな借入はできない可能性があります。
もし、住宅ローンや自動車ローンなどで新たな借入を組む場合は過払い金請求をしていない金融機関を選ぶと良いでしょう。
将来に住宅ローンを組む予定がある場合、過払い金請求をする際の注意点は?
過払い金請求をして住宅ローンに影響することはありませんが、将来、住宅ローンを組む予定がある場合はいくつかの注意点があります。
戻ってきた過払い金で借金完済にならなければブラックリストに載る
借金で苦しんでいる人が任意整理の手続きをすると、5年間信用情報機関に登録されるため、新規クレジットカードの発行やローンの借入ができません。
債務整理をためらう多くの人は、ブラックリストに事故情報が載ってしまうデメリットを知っているからです。
反対に、過払い金請求で戻ってきたお金が借金額より少なければブラックリストに載ってしまいます。
住宅ローンを組むならブラックリストが外れてから
住宅ローンを組むためには、「事前審査」と「本審査」を通過しなければ銀行の融資を受けることができません。事前審査では、申込者の自己申告の情報に基づいて審査されますが、本審査では以下をチェックされます。
- 職業や勤続年数
- 収入状況
- 年齢
- 個人信用情報
- 他社の借入状況
個人信用情報機関(ブラックリスト)に登録されていれば基本的にどの金融機関でも審査には通過できないと考えて良いでしょう。
ブラックリストに載ってしまう条件は、債務整理以外にもあるので注意が必要です。
- キャッシングの延滞が2ヶ月以上続いた
- 多重債務をしている
- 携帯電話の滞納
- 奨学金の滞納
上記に該当する場合もブラックリスト入りになるので、手数料はかかりますがローンを組む前に個人信用情報を確認することができます。請求方法は下記になります。
【信用情報の確認方法と手数料】
信用情報機関 | 確認方法と手数料 |
---|---|
全国銀行個人信用情報(JBA) | 手数料は1000円で、HP上から請求が可能。 |
株式会社シー・アイ・シー(CIC) | 窓口からの請求は500円で、郵送やネットからの 請求手数料は1000円。 |
株式会社日本信用情報機構(JICC) | 窓口からの請求は500円で、郵送やネットからの 請求手数料は1000円。 |
頻繁に個人信用情報の確認は注意が必要
個人信用情報に掲載有無を確認することで住宅ローン審査に大きな影響はありませんが、確認するたびに「履歴」が残ってしまいます。
頻繁に確認すると履歴の記録が多くなり、金融機関に「何か確認しなければいけない事情があるのか」とデメリットに捉えられる可能性があります。
開示請求を少なくするためには、ブラックリストに載った条件からの時効期間をしっかり把握してから請求するようにしましょう。
過払い請求した関連会社の住宅ローン審査は通らない可能性も…
住宅ローンを組もうと思っても、過払い金請求をした会社や関連会社では審査が通らない可能性があります。債務整理をした後、ブラックリストから事故情報が消えたとしても同様です。
金融機関は情報を共有しており、とくに消費者金融や信販会社は銀行との繋がりがあるため同系列の会社で過払い金請求を行った場合、審査が通らない可能性があります。
大手消費者金融 | グループ銀行 |
---|---|
プロミス | 三井住友銀行 |
アコム | 三菱UFJ銀行 |
レイクALSA | 新生銀行 |
ジェイスコア | みずほ銀行 |
アイフル | なし |
過払い金請求以外にも、多重債務や延滞履歴でローン審査に落ちることがあります。
過払い金請求の注意点を知って住宅ローンの組むタイミングを考えよう!
過払い金請求をすることで住宅ローンに影響するのは、債務整理などでブラックリストに載ってる期間です。
住宅ローンには銀行独自の審査があり、ブラックリストにも載っておらず過払い金請求もしていないのに審査に通らないことがあります。
ブラックリスト入りをどうしても避けて住宅ローンを組みたい場合は、借金を完済することが一番です。
今は、過払い金が発生しているかどうかもネットで確認することができ、弁護士や司法書士事務所でも無料相談ができます。
上手く活用して、将来の生活に見通しを立てていきましょう。






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