過払い金請求 2023/05/01
アコムで過払い金請求する場合のメリット・デメリットや、注意点を徹底調査
大手消費者金融の「アコム」は、三菱UFJ銀行グループで過払い金請求の対応にも比較的応じてくれる傾向にあります。
アコムで借入をしたことがあっても、全ての人が対象になるわけではありませんが、借入日や上限金利、カードの種類もポイントになってきます。
完済した方や返済中の方も、自分が過払い金の対象かどうか、アコムに過払い金が発生しているのかについてや注意点、過払い金の返還率や過払い金請求のメリットデメリットについて詳しく紹介いたします。
Contents
アコムの過払い金発生は?借りた日付と上限金利がポイント
お金を借りるときに発生する金利は法律で上限が定められており、2010年6月以前までは大手消費者金融や信販会社も、違法な金利を取っていました。
出資法が改正されるまでの金利は出資法で29.2%、利息制限法で20.0%でしたが、2010年6月に貸金業法と上限金利が改正され20.0%へ引き下げられました。
アコムは2007年6月18日に適正金利の18%に引き下げをしましたが、それまでは違法金利27.375%を上限金利として貸付していました。
アコムの過払い金発生は、2007年6月17日以前にアコムから金利20%以上の借入をしていた方が払いすぎた利息分の過払い金請求ができます。
銀行や消費者金融の金利は、利息制限法の上限金利で決定されます。貸付金額によって金利が変わりますが、最大でも20%でこれを超えてしまうと貸金業者は出資法違反で刑罰の対象となります。
- 10万円未満…上限金利20%
- 10万円以上100万円未満…上限金利18%
- 100万円以上…上限金利15%
アコムの過払い金請求対象カード
アコムのカードの中で過払い金請求ができると有名なカードは、薄いグレーとブルーの「ACカード」です。完済中や返済中であっても過払い金請求ができます。
過去に変更したアコムの上限金利
アコムは2007年6月以前にも、何度か上限金利を変更しています。
下記の表を見ると、アコムは何度か金利を変更しているので、同じ10年でも昔になるほど返金額が高くなります。
変更した年 | 金利の上限 |
---|---|
1987年4月 | 36.500% |
1988年4月 | 32.850% |
1989年8月 | 29.200% |
1995年6月 | 28.470% |
1997年4月 | 27.275% |
2007年6月 | 18.000% |
しかし、昔から借入をしてたにも関わらず過払い金の金額が少ないことがあります。
それは、同じ10年間であっても限度額100万円で借りていた人、返済を多く繰り返して300万円で借りていた人もいるからです。
限度額が高いほど借りる金額も多く利息も高くなります。そうすると、過払い金の戻る金額も必然的に高くなります。
それに加えて、限度額が増額した時期によっても大きく変わります。
最初の限度額が50万円で1年後に限度額が100万円になった場合と、10年後に限度額が100万円になった場合とでは、早くから高い限度額になっているほうが多くの過払い金が発生します。
アコムから過払い金請求ができなくなる注意点とは?
アコムの過払い金請求は、2007年6月17日以前の借入が条件でしたが、次に当てはまる場合は過払い金請求ができません。
- 最終取引から10年を超えた請求
- アコムが倒産した場合の請求
- 示談書で権利を失った場合の請求
最終取引から10年を超えてしまうと「時効」を迎え、過払い金請求ができなくなります。最終取引日とは、最後に返済した日にちから10年のことで、それ以内であれば過払い金請求ができます。
また、アコムが倒産した場合の過払い金請求は難しくなりますが、アコムは三菱UFJファイナンシャルグループの傘下なので、倒産するリスクは低いと考えられます。
しかし、過去に過払い金請求の返還に追われ破産した武富士は当時大きなニュースとなりました。今後、アコムが倒産する可能性は低いものの、予測はつかないので早めの行動が大切です。
それ以外に返還できないリスクとして、アコムからの提示により利息を免除してもらう示談書に合意した場合です。
示談書に「過払い金請求の権利放棄」に関する記載があり合意すれば、請求ができなくなります。
自分のアコムでの借入に対し、過払い金が発生しているかどうかわからないという場合は、専門家に相談したり、無料の借金診断を利用することで確認できるので、すぐに調べてみてはいかがでしょうか?
アコムの過払い金請求は交渉か裁判かで返還率や期間が違う
アコムから戻ってくる返金額や交渉期間は、話し合いによる「交渉」か「裁判」をするのかによって異なります。
交渉による期間と返還率、裁判による期間と返還率について見ていきます。
交渉による期間と返還率
裁判をせず話し合いによる交渉のみで100%の過払い金回収は難しいと考えて良さそうです。これは、弁護士や司法書士による交渉でも同じです。
交渉で満額を取り戻したい、という希望も弁護士に寄せられるそうですが、裁判なしでの100%返還率は難しいのが現状です。
でも、普段から交渉ごとを得意とする弁護士や司法書士のような専門家に依頼するほうが、少しでも多く返してもらえる可能性が高いと言えます。
期間 | 個人交渉返還率 | 弁護士・司法書士による返還率 |
---|---|---|
2~5ヶ月 | 30%~60% | 50%~80% |
過払い金の返還金額を下げれば、さらに早く戻ってくることがあります。
自分でやるよりも手間なくスムーズで、戻るお金も多いとあれば、やはり専門家に依頼する方がおすすめですね!
裁判による期間と返還率
時間がかかっても多くの過払い金を回収したい場合は、訴訟提起してからの交渉なので期間も半年ほどかかります。
利息分までの回収を合わせればさらに長引く可能性があります。
期間 | 個人交渉返還率 | 弁護士・司法書士による返還率 |
---|---|---|
5~7ヶ月 | 50%~100% | 80%~100% |
時間はかかりますが、裁判を行うことで100%の確率で過払い金回収ができます。
特に、返済途中に示談書を交わしたなどアコムと争点もなく裁判所で認定されれば、和解成立後3ヶ月程で入金されます。
過払い金が発生いているかなどは、過払い金の無料診断で簡単にはシュミレーションできますよ。過払い金の無料診断のデメリットを確認して利用してみてはいかがでしょうか。
アコムの過払い金請求から返還までのやり方
アコムの過払い金請求は個人で行うこともできますが、手間や時間を考えると弁護士や司法書士など専門家に依頼するほうが安心です。
過払い金請求から返還まで、個人でする場合も専門家に依頼する場合もとくにやり方は変わりません。
1.アコムに取引履歴の開示を要求する
アコムに過払い金請求をするためには、過去の借り入れ金や返済をまとめた「取引履歴」を開示してもらいます。
- 個人で取引履歴開示請求する場合の注意点
- 開示前に担当者から理由を聞かれ和解交渉を進めてしまうと、過払い金請求の金額が分からないまま話し合いを進められてしまいます。
取引履歴の取り寄せ理由に答える必要はありませんが、請求時に書面にて和解の記載を提示されることがあるので承諾前に一度、専門家へ相談すると良いでしょう。
2.過払い金の引き直し計算をする
取引履歴が手元に届いたら過払い金の引き直し計算をします。引き直し計算を個人で行う場合は、利息計算ソフトが必要です。
下記はフリーソフトで、取引履歴に記載された「金利」「日付」「返済金額」等を間違えず入力していきます。
名古屋消費者信用問題研究会 | http://www.kabarai.net/ |
---|---|
アドリテム司法書士法人 | http://www.adlitem.or.jp/software/ |
アコムの取引履歴は「返済」と「借り入れ」が同じ行に書かれているので間違いやすくなっています。
引き直し計算を間違えたまま請求すると、過払い金の金額が少なくなるので個人でする場合は注意が必要です。
3.過払い金返還請求書と引き直し計算書をアコムに送る
過払い金の返金額が分かったら、アコムへ「過払い金返還請求書」と「引き直し計算書」を送ります。
郵送する場合、必ず内容証明郵便で送るのがポイントです。内容証明郵便は、送った証拠と受け取った証拠を残すことができます。
4.話し合いによる和解交渉
アコムに返還請求書を送った後、担当者から電話がかかってきます。電話か対面での交渉となるかはその時によって違います。
電話の交渉では、アコム側から過払い金の返還日や金額などを交渉されます。アコムの担当者は交渉に慣れているので、個人での交渉はすんなり解決しないことも多いです。
弁護士や司法書士が代理人で裁判を通さない場合、返還率は50~80%です。もし、アコムからの提示内容に納得できなければ「過払い金返還請求の裁判」をその後に行います。
5.過払い金返還請求の裁判
返金額に納得できない場合は裁判を起こすことになりますが、裁判をするためには訴状、引き直し計算書、証拠証明書など書類と弁護士費用や印紙代も必要になります。
しかし、裁判所にかかる「訴訟費用」については、裁判に勝ち訴訟費用確定処分を過払い金と一緒に回収することが可能です。
訴訟費用確定処分と言うのは、裁判所が「訴訟費用の負担はアコム側」と判決した場合のことです。また、裁判所にかかる印紙代、登記簿代、切手代に対しても上乗せした金額で和解交渉ができます。
裁判をすると費用がかかると思いがちですが、実費分を考えても訴訟費用確定処分や強制執行手続きによる上乗せ回収ができるので、裁判をしたほうが結果的に良いケースがあります。
アコムからの過払い金返還
話し合いまたは裁判でアコムと和解交渉が成立したら、指定した口座に早くて3ヶ月後に過払い金が振り込まれます。
訴訟費用確定処分にならず弁護士費用を支払う場合は、戻ってきた過払い金で着手金や成功報酬を支払うことになります。
弁護士に依頼した費用については、弁護士会のガイドラインによって上限金額が決定しており、話し合いでの和解であれば回収額の20%以下、裁判での和解であれば回収額の25%以下と定められています。
アコムの過払い金請求のメリットデメリットと影響
過払い金請求のメリットは、何と言っても払いすぎた利息分のお金が戻ってくることにつきます。
過払い金請求のメリットデメリットと、カードについての影響を見ていきます。
完済後の過払い金請求はメリットもあるが今後のカード作成に影響あり
既に借金を完済した後の過払い金請求のメリットは、過払い金請求によってお金が戻り、過払い金請求対象外のカードも継続して使用することができます。
デメリットを上げるとしたら、利用中のアコムカードの過払い金請求をした場合、カードが解約されるので今後、同じカードを再発行することが難しくなります。
過払い金請求をするカードが家賃や光熱費の引き落としに設定している場合は他のカードに変更する必要があります。
- 過払い金請求でお金が戻る
- 過払い金請求対象外のカードはそのまま継続で使用できる
【デメリット】
- 利用中のカードを過払い対象にするとカードが停止する
- 過払い金請求をしたカード会社からの借入が今後難しくなる
返済中の過払い金請求は借金が完済しなければデメリットに…
返済中であっても過払い金請求をすることができますが、戻ってきた過払い金で借金が完済すればブラックリストに載ることもなく、大きなメリットとなります。
反対にデメリットは、過払い金より借金のほうが多く完済できなかった場合です。
任意整理であれば5年間、自己破産では10年間ブラックリストに載るので、その間は新規クレジットカードの発行やローンの借入ができません。
またブラックリストが外れた後でも、新たにアコムに借入したくても、グループ金融機関の社内ブラックに情報が共有されていることがあるので、借入が難しくなる可能性があります。
- 戻ってきた過払い金で借金が減らせる
- 借金額より過払い金が多ければ完済できる
【デメリット】
- 借金が残ればブラックリストに載る
- ブラックリスト掲載が終わった後でもアコムからの借入は難しい
三菱東京UFJ銀行(MUFGグループ)カードについての影響は?
アコムは2008年に三菱UFJファイナンシャル・グループの子会社となっており、保証会社が三菱東京UFJ銀行です。
カードの種類によっては、過払い金請求をすることでカードに影響しデメリットになる場合があります。
- アコムマスターカード
- アコムマスターカード(ACカード)は、キャッシングだけでなくクレジットカード機能も付いているのでショッピングの利用でも使用ができます。キャッシングは完済していてもショッピング枠は債務の扱いとなるので、過払い金が回収できたとしても自動的にショッピングの返済残高にあてられます。 ACカードのショッピング枠を日頃利用していて過払い金請求を行えば、自動解約となります。
- キャッシュワン(じぶん銀行)
- キャッシュワンは、菱東京UFJ銀行など複数の企業の出資により設立され、アコムもその1つです。2011年12月にキャッシュワンが終了し、2012年にアコムはじぶん銀行へ債権が移行しました。キャッシュワンで設定された金利は上限金利の範囲内なのでキャッシュワンやじぶん銀行のキャッシングは過払い金の請求ができません。
- 三菱東京UFJ銀行カードローン(バンクイック)
- バンクイックの返済ができないときはアコムが保証会社なので代わりにアコムが弁済します。しかし、アコムとバンクイックを契約している人がアコムのみの手続きであれば特に影響はありませんが、バンクイックで延滞があるとアコムの過払い金請求に影響するデメリットがあります。
アコムの過払い金対象かどうかも早めの行動がカギ!
過去にアコムから借金をしていて、借入日が分かるなら時効前に早めに行動することができますが、完済された方は昔のことでよく覚えていないことが多いと思います。
弁護士や司法書士に依頼すると、はっきりと覚えていなくても借りてたカード会社さえ分かれば手続きをしてもらえます。
複数あって借りていたカード会社を忘れてたとしても、信用情報機関に開示請求をすることで教えてもらえます。
時効10年を過ぎてしまうと、後から気付いても過払い金請求は一切無効となってしまいます。
少しでも疑問を感じたら早めに行動することで取り戻すことができます。早めに専門家に相談されてみてはいかがでしょうか。
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