個人再生 2020/02/10
個人再生で車はどうなる?手続き中・手続き後の気になるローンを解説
個人再生を検討する際には、手続き後の生活について、気になる点も多いもの。特にローンやお金に関するポイントは、しっかりと理解しておきたいところです。
個人再生中、個人再生後の各種ローンについての基礎知識と、不都合を避けるためのポイントを解説していきます。個人再生の前に、チェックしてみてください。
Contents
個人再生には、住宅ローン特則がある!
債務整理を行う際に、不安になるのが「マイホームについて」です。
ローン返済中に債務整理をすることで、住むところがなくなるのでは…と不安になる方も多いことでしょう。
自己破産を選択した場合、自宅は手放すことになりますが、個人再生は違います。住宅資金特別条項が用意されており、住宅を守ることも可能です。
個人再生手続きにおいて、定められる特則の一つ。住宅ローン特則とも呼ばれる。これを利用することで、債務者は住宅ローンを除いた債務について、個人再生を行うことができる。
つまり住宅ローン特則を使えば、
- 住宅ローン以外の借金を減額する
- 住宅ローンの返済は、これまでどおり行う(住宅はそのまま維持できる)
- 個人再生後は、借金の弁済+住宅ローンを支払う
ということになり、そのまま現在の自宅に住み続けることができます。
住宅ローンに関する特則を利用するためには、いくつかの条件を満たす必要があり、弁護士や司法書士のもとで確認してもらうのがおすすめです。
個人再生後の一定期間は、原則として住宅ローンは組めない
では、個人再生後に住宅ローンを組み、住宅購入をする場合はどうなるのでしょうか。残念ながらこちらは、住宅ローン特則の対象とはなりません。
信用情報に事故情報が登録されている期間は、新たなローンを利用することができず、住宅ローンも例外ではありません。
個人再生の場合、ブラックリストに登録される期間はおおよそ5年~10年です。この期間内は、原則として住宅ローンは組めないと考えてください。
- ローン会社の審査内容が甘い
- 保証人の審査内容が非常に良い
これらの事情により、たとえブラックリストに登録されていても、住宅ローン審査に通過できる可能性もゼロではありません。
個人再生後、一定期間内に「より確実に住宅ローン審査に通りたい!」と思うのであれば、配偶者の名義で審査を通す方法がおすすめです。
個人再生中に車のローンが残っているなら、まず情報チェック!
ローンで購入するケースも多いのが、自家用車です。
個人再生の手続き中に車のローンを支払っている場合、残念ながら車を維持し続けることは難しいです。車のローンでは、通常、所有者にローン会社が設定されているためです。
ただしローンを利用していても、ローン会社が所有者になっていない場合は、車を守れる可能性が出てきます。
- 信販会社系のローン
- ディーラーから紹介されたローン
【ローンを利用しても、自分や家族が所有者となるケースが多い(車を守れる)】
- 銀行のマイカーローン
- 信用金庫のマイカーローン
自分の場合がどちらなのか、まずは車検証の「所有者」欄をチェックしてみてください。誰の名前、もしくは会社名が記載されているかによって、その後が変わってきます。
ローン完済後なら問題はなし!ただし財産額が増える可能性も
どんなローンを利用していても、完済後であれば、個人再生で車を失うことはありません。もちろん一括で購入した場合も、同様です。
ただし車の価値によっては、所有財産を大幅にアップさせる要因になってしまうことがあり、注意が必要です。
個人再生では、借金額から定められる弁済額と、債務者が保有している財産の総額を比較し、高い方の金額が「手続き後に返済する金額」となります。
つまり、
ということ。どう行動するのがベストなのか、専門家との相談のもとで、しっかりと検討することが大切です。
車が必要なときには、
- 家族の名義でローンを組む
- 誰かに車を譲ってもらう
- 現金一括で購入する
いずれかの手段を検討することになります。
個人再生をしても、生命保険や学資保険を解約する必要はない!
個人再生はお金にまつわる手続きだからこそ、生命保険や学資保険について不安になる方も多いのではないでしょうか。
個人再生の場合、現在加入している生命保険や学資保険を解約する必要はありません。そのままかけ続けて、いざというときのために備えることが可能です。
教育ローンと奨学金への影響もチェックしておこう
ローンの中でも、子どもの教育のために利用するのが教育ローンや奨学金です。これらの扱いはどうなるのか、それぞれ具体的にチェックしていきましょう。
教育ローンの場合
教育ローンは、子どもの教育費を賄う目的で貸付されるローンのこと。大きく分けて、以下の2つの種類が存在しています。
- 一般的にも利用しやすい教育ローン
- その他のローンと同じく、利用のためには審査通過が必要
- 個人再生中・再生後の一定期間は利用できない
- 低収入な家庭に対し、子どもの教育を支援する目的で提供される教育ローン
- 親の年収制限がある
- 審査はあるものの一般ローンとは異なる基準で行われる
(※ブラックリスト状態でも、通過できる可能性も!)
あくまで「ダメ元」という形にはなりますが、日本政策金融公庫のローンであれば、挑戦してみるのも良いかもしれません。
奨学金の場合
子どもの教育費用を賄うための手段としては、奨学金もあります。個人再生後、ブラックリストに登録期間中であっても、奨学金であれば問題なく利用できます。
なぜなら奨学金は、教育を受ける子ども本人は申し込みを行うから。親の状況は関係せず、審査を受けることができます。
個人再生後、借金を繰り返さないためにできること
個人再生後は、二度と借金問題に悩まされないよう、注意して生活する必要があります。特にローンを利用するときには、以下の点を意識してみてください。
- ローンを組む際には「目的」をはっきりさせる
- ローン以外に、問題を解決する方法がないか考える
- ローンに頼らない生活スタイルを身につける
金額が高いものを購入する際に、ローンは非常に便利なもの。しかし「貯めてから買う」というスタイルを身につければ、ローンなしでも生活は可能です。
ローンを組むのが当たり前とは思わず、目的をしっかり確認し、賢く活用するようにしましょう。
個人再生後の生活を具体的にイメージし、一歩踏み出そう!
個人再生の手続き中、手続き後のローンに関する情報をまとめました。
影響があるもの、ないものについてはっきりさせると、個人再生のメリット・デメリットも見えやすくなります。
手続き後は新たなローンを組むことは難しくなりますが、全てを失うわけではありません。
現在の苦しさから解放され、新たな一歩を踏み出すためにも、個人再生についても検討してみてはいかがでしょうか。
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